カスタマイズで左手デバイスにもなる東プレのテンキー新モデル「REALFORCE RT1 Ten Keyboard」を試す

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2024年12月03日 11:11  ITmedia PC USER

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東プレの新モデル「REALFORCE RT1 Ten Keyboard」写真はスーパーホワイトだが、ブラックモデルも用意される

 12月に入り、2024年も終わろうとしている。年末といえば、筆者のようなフリーランスにとっては確定申告の準備を始める時期でもある。


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 いわば数字との格闘となるが、数値を入力するのにあった方が圧倒的に便利なデバイスがある。それはテンキーだ。とはいえ、テンキーを搭載したキーボードだとどうしてもボディーサイズが大きくなってしまい、デスクの上で常に(文字通り)幅を取るため小さいデスクがさらに狭くなってしまう。それにフルサイズキーボードのテンキーは必ず右側にある。できれば左側にセットしたいという筆者のような場合、選択肢が極端に限られてしまうのだ。


 そのようなことをつらつらと考えていたら、12月3日に東プレが「REALFORCE RT1 Ten Keyboard」(以下、RT1テンキー)を発売した。実売価格1万3200円と、なかなか値が張るテンキーだ。


 発売前の実機を借りる機会を得たので、打ち心地だけでなく、キーマップ変更ツールの使い方などをチェックしていきたい。


●REALFORCE RT1 Ten Keyboardとは?


 RT1テンキーは、東プレならではの静電容量無接点方式のキースイッチを採用した23キーを備える有線タイプのテンキーだ。従来機「REALFORCE 23U」シリーズの後継という位置付けである。


 「0」〜「9」キー、「00」キーといった数字キーだけでなく、四則演算/Enter/BS(BackSpace)/Delete/Esc/Tab/Shift/Fn(Function)といったキーを備える。表計算ソフトへの数字の入力が、これ1台あれば賄えるイメージだ。


 キートップの印字は昇華印刷方式で、使い込んでも文字が消えてなくなるということはないとうたわれている。キースイッチそのものも1億回以上のタイプテストをパスしているので、長く使い続けられるだろう。


 最大の特徴は、無料のキーマップ変更ユーティリティー「REALFORCE CONNECT」を使うことで、全キーをカスタマイズできることだ。


 カスタマイズ内容は、キーマップ変更はもちろん、ショートカットキーやマクロキーなどの割り当ても行える。カスタマイズ内容は最大4セットとなっており、テンキー本体に保存できるので、デバイスを問わず利用できる。


 ハードウェアの概要をさらに見ていこう。キーストロークは約4.0mmで、キー荷重は45g、アクチュエーションポイントに対応した入力しやすいステップスカルプチャー方式となっている。Windowsでは「フルNキーロールオーバー」(全キー同時押し)に、Macでは「Nキーロールオーバー」に対応している。


 サイズは実測値で89(幅)×152(奥行き)×37(高さ)mmで、重量は公称約300gのところ、実測は291gだった。なお、USBケーブルの取り外しはできず、高さを出して手前にキーを傾けられるスタンドが底面に用意されている。


 では、さっそく使ってみよう。


●数字を入力するだけなら挿すだけで手間いらず


 まずはスプレッドシートを開き、大量の数字を入力していこう。今回用意したのは、貯まったレシートの内容を転記するためのもので、ほぼ数字のみで入力していけるよう、「勘定科目」は表引きの関数を利用した。


 RT1テンキーは、数字を入力していくだけであれば、一般的なテンキーと同じようにプラグ&プレイで使うことができる。PC本体の、またはUSBハブのUSB Standard-A端子にRT1テンキーのケーブルを挿すだけだ。


 NumLockキーのLEDインジケーターが点灯していれば数字を入力できるし、消灯していればカーソルキーの役割を担う。


 数字だけであれば、使い慣れているキーボードと同じ静電容量無接点方式スイッチなので、すいすいと入力が進む。


 NumLockキーが使いやすい場所にあるのは良いと感じた。というのも、セルの中身を確定した後、2つ左にあるセルの中身が間違っていた、ということに気づいたときにわざわざ文字入力用のキーボードの右下に指を持っていったり、マウスに手を伸ばしたりするより、今使っているテンキーだけで事足りるからだ。


 NumLockキーを押してカーソルキーモードにして左右へとセルを移動していけば良い。「テンキーに、こんな使い方があるのか」と目からウロコ状態である。


 ただ、Excelもそうなのだが、スプレッドシート内でセル(カーソル)を移動させる際、基本的に横方向へ移動させたい。Tabキーで移動させたいのだ。


 しかし、RT1テンキーのTabキーは上部に鎮座している。ひんぱんに使うのに、指を伸ばさなければならないというのは、プチストレスを募らせるものとなった。


●慣れるより私色に染める!


 テンキーに慣れていないこともあり、プチストレスを感じてしまう入力体験だったが、それなら押しやすいキーをTabキーにしてしまえば良い。それができるのがRT1テンキーの良いところだ。


 そのために、まずはユーティリティーのREALFORCE CONNECTを導入する。ユーティリティーをインストールすると、デフォルトでデスクトップにソフトウェア起動アイコンが作られる。こちらをダブルクリックして起動しよう。


 起動してからRT1テンキーをPCに接続すると、対応デバイスがリスト表示される。とはいえ、今回接続しているREALFORCEキーボードはRT1テンキーのみなので、「RT1 TENKEYBOARD」1種類しか表示されない。デバイス名をクリックしよう。


 すると、専用のキーマップ変更ツール画面が別ウィンドウで立ち上がる。上にはRT1テンキーのキーレイアウトが、下には「デバイス」「ヒートマップ」「APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)」「キーマップ入替」などの機能が並ぶ。


 まずは簡単なキーマップの入れ替えを行おう。通常設定を残しておきたいので、最初にMap2を選択しておく。その後、下に表示されているキーの一覧からキーを選び、RT1テンキーのキーレイアウトで変更したいキーの位置にドラッグ&ドロップすると、キーの動作を変更できる。


 この調子でどんどん入れ替えていき、設定が全て終わったら、「本体に適用」アイコンをクリックして設定を保存しよう。


 これで、自分が望む“最高の配置”になった。Enterキーを押す回数より、Tabキーを押すことの方が多いので、今回は「Enter」と刻印のあるキーにTabを、「Tab」にEnterを割り当てた。使っているうちに違和感を覚えるようであれば、また変更すれば良い。


 とはいうものの、たったこれだけで随分入力しやすくなった。指を慣れさせるより、カスタマイズして自分にとって自然な入力スタイルをできる方がベターだなと実感した。


●ショートカットキーやマクロも割り当てられる


 RT1テンキーには、キーマップを4つまで保存しておける。ならば、あると便利なショートカットキーやマクロ機能も割り当てようではないか。


 次にMap3を選んでから、まずは「1」「2」「3」にコピー/カット/貼り付けのショートカットを割り当てた。


 「4」には「Alt」+「PrintScreen」だ。というのも、筆者の使っているキーボードにはPrintScreenキーがないものが多い。ほとんどの場合、アクティブウィンドウのみをキャプチャしたいので、このショートカットを割り当てた次第だ。


 また、「5」には「Win」+「Shift」+「s」で、Snipping Toolでのキャプチャ機能を割り当てておいた。「6」は「Win」+「Alt」+「R」で、ゲームバーでの録画機能を割り当てた。つまり、テンキーの中段は全て画面キャプチャ系だ。


 マクロの割り当てでは、ExcelやWordにある「マクロの記録」のような「キャプチャ」機能があるので作成しやすいだろう。マクロを設定したい「M1」〜「M8」をダブルクリックし、マクロ名を分かりやすいものに変えたら、「キャプチャ開始」ボタンをクリックして通常のキーボードから入力していくだけだ。


 とはいえ、48イベント分しか記録できないので、当初、筆者が予定していた“ネストした関数の入力”や“住所の入力”などは難しいようである。


 設定が終わったところで、閉じるボタンでRT1テンキーのキーマップ入れ替えを終了し、REALFORCE CONNECTソフトウェアも閉じておこう。


●RT1テンキー本体に保存されるキーマップ


 RT1テンキーは、機能に制限があるもののMacにも対応している。制限されるのは同時押しできるキー数が限定されるNキーロールオーバー(こちらは試したところ、6キーが上限のようだ)と、デフォルトではNumLockのオン/オフが機能せず、常に数字のみを入力することなどだ。


 しかし、「00」キー単体で「00」を入力すること、「Fn」キーとの組み合わせで「000」を入力できることなど、前モデルから改良されている。


 また、全てではないがWindows PCで設定し、本体内に保存したキーマップを使うこともできる。さっそくMacに接続して試してみよう。


 ショートカットキーは、「Ctrl」+「C」「Ctrl」+「X」「Ctrl」+「V」など一般的なものであっても、動作するアプリとしないものがあった。例を挙げると、macOS純正のメモ帳アプリでは使えなかったが、Chrome内で開いたGoogle スプレッドシートでは使うことができた。Windows専用の「Win」+「Shift」+「S」や「Alt」+「PrintScreen」はどのアプリでも使えなかった。


 REALFORCE CONNECTソフトウェアはmacOS版も用意されているので、Macで使う場合は専用のキーマップセットを作っておいた方が良さそうだ。


 マクロ機能では、3キーを押すだけというシンプルなものを登録していたからか、こちらは問題なく動作した。後はそれぞれのPC(WindowsもMacも)に「めあど」にメールアドレスを辞書登録しておけば、長い文字列でも3回のキー操作で入力できるようになる。


●テンキーだけでなく“左手デバイス”としても便利に使える


 OS間での制約はあるものの、複数のPCを使っているユーザーであれば、同じ操作で作業できるので便利に使えるだろう。Adobe Photoshopなど、ショートカットキーを多用するアプリのユーザーであれば、“左手デバイス”としても重宝しそうだ。


 刻印の消えないキートップ、1億回以上のタイプに耐えるキースイッチで、使う人より長持ちしそうだ。実売価格は1万3200円とテンキーとしては高価に感じるかもしれないが、いったん手に入れて、使いやすくカスタマイズし、指が慣れたら、これからのデジタル人生の相棒になり得る入力デバイスなのだ。



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