国に品種登録された希少イチゴ「桃薫」の苗を許可無くフリマサイトで販売したなどとして、警視庁生活環境課は3日までに、種苗法違反容疑などで、会社員近藤信宏容疑者(64)=岐阜県養老町船附=ら男2人を逮捕し、6県に住む20〜70代の男女9人を書類送検した。
いずれも容疑を認めており、「小遣い稼ぎのため」「家庭菜園で増えた苗を捨てるのがもったいなかった」などと話しているという。
近藤容疑者の逮捕容疑は昨年10月、桃薫を品種登録した農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の許諾を得ずに、フリマサイトに出品情報を書き込み、苗を2人に販売するなどした疑い。
同課によると、11人は2022年4月下旬〜今年5月、フリマサイトで約750株の苗を販売するなどし、計20万円程度を売り上げた。市場価格より2〜5割安い1株150〜1200円ほどで販売されていたという。
桃薫は白みがかったピンク色で、モモに似た香りが特徴。11年10月に品種登録された。
摘発を受け農研機構は「許諾のない販売は、正規の許諾先や生産者に不利益をもたらすほか、優良品種の海外流出リスクを高める行為。引き続き農林水産省や警察と連携して対応する」とホームページにコメントを出した。