【2024年】12月に買ってはいけない優待銘柄は?

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2024年12月04日 11:30  All About

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12月は、株価動向に影響を与えるイベントが数多く控えている月です。11月に手仕舞った米国ヘッジファンドが買戻しに動く一方で、個人投資家の節税対策売りも出やすく、値動きが荒くなる傾向があります。そこで今回は、12月の相場の中で、株価が例年軟調に推移する傾向にある優待銘柄をご紹介します。

12月の優待銘柄の傾向(184銘柄)

12月は、3月決算企業の中間決算発表が一巡し、年末にかけて株価が上昇する傾向にある月です。今回は12月の優待銘柄をピックアップし、株価が例年軟調に推移する傾向が見られる優待銘柄をご紹介します。

株価が下がりやすい銘柄を事前に把握することで、不用意に損失するリスクを回避できるでしょう。

まずは、11月末に12月末権利確定銘柄(184銘柄)を購入し、優待を得られる権利が発生する権利付き最終日の前に売却した場合の成績を見てみましょう。権利付き最終日の前に売却することでパフォーマンスを最大化できます。

■検証対象:12月の優待銘柄(計184銘柄)
■検証期間:2000年1月1日〜2024年10月31日
■1銘柄当たりの投資金額:20万円
■買い条件:11月末の営業日の寄り付きで買い
■売り条件:12月23日、24日、25日、26日のいずれかの営業日に売り

11月末に12月末権利確定銘柄(184銘柄)を購入し、12月末の権利確定前に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で損益がプラスならば、12月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、12月は下がりやすい月といえます。

以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。

検証結果

システムトレードの達人

勝率:42.55%
勝ち数:1,014回
負け数:1,369回
引き分け数:43回

平均損益(円):−950円
平均損益(率):−0.48%

平均利益(円):14,410円
平均利益(率):7.21%

平均損失(円):−12,357円
平均損失(率):−6.18%

合計損益(円):−2,305,808円
合計損益(率):−1,153.00%

合計利益(円):14,611,580円
合計利益(率):7,306.03%

合計損失(円):−16,917,388円
合計損失(率):−8,459.03%

PF(プロフィット・ファクター):0.864
平均保持日数:28.67日

以上が、12月株式市場の優待銘柄(184銘柄)の検証結果です。勝率は42.55%、平均損益は−0.48%となっています。勝率が50%を割り、1トレード当たりの平均損益がマイナスであることから、12月の優待銘柄は下がりやすい傾向があるといえるでしょう。

今回の検証で12月の優待銘柄(184銘柄)は、12月相場に下がりやすい傾向があることを確認できました。次は、株価が下がりやすい傾向にある12月の優待銘柄の中でも、特に株価が下がりやすい傾向にある優待銘柄をご紹介します。

12月の低成績優待ランキング

システムトレードの達人

図表は、先ほどの12月の優待銘柄(184銘柄)を対象とした検証において、勝率が25%未満の銘柄のランキングです。表を見ると、似た業種の銘柄が掲載されています。

例えば、下記のような「情報・通信業」関連の銘柄です。

<4448>kubell【勝率:0%】
<3981>ビーグリー【勝率:16.67%】
<3998>すららネット【勝率:20.00%】

これらの銘柄は、軟調に推移しやすい傾向にある12月の優待銘柄の中でも、特に軟調に推移する傾向が強い業種です。これらの銘柄をトレードする際は注意が必要でしょう。

簡単な検証結果でしたが、本記事で紹介した12月の優待銘柄の傾向は、投資戦略を考える上での有効な判断材料の一つになるでしょう。

これらの数字は、あくまでも過去の検証結果ですので、これから先の未来でも同様の結果になる保証はありません。しかしながら、統計的な背景がある数字は、安心してトレードに臨める心強い味方となってくれるでしょう。皆さんも投資する際には、ぜひ一度検証してみてくださいね。

(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社および関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)

文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)

国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。
(文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー))

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