古代ローマのエンジンの原理を使ってピンポン球を回転させる実験がYouTubeに投稿され、記事執筆時点で約160万再生を記録しています。現代の技術にも使われているこの原理を使って、どれほど速く回転させることができるのでしょうか?
この動画が投稿されたのはYouTubeチャンネル「The Action Lab」(@TheActionLab)。斬新な発想による面白い科学実験の動画を中心に発信しています。
●古代ローマの「ヘロンの蒸気機関」
今回は「ヘロンの蒸気機関」(またはアイオロスの球)と呼ばれる古代のエンジンの原理を使い、ピンポン球を回転させてみようという実験。古代ローマ属州エジプトのアレクサンドリアで活躍していた工学者ヘロンがその構造を記述していることで知られる原理です。
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このヘロンの蒸気機関はロケットエンジンの原型で、「蒸気で動くロケットエンジン」だと説明されています。古代に作られたものですが、現代でもロケットや蒸気タービン、エンジンに使われているものと同じ原理を使っている強力なものだといいます。
この原理を使ってピンポン玉を1万8000回転/分まで回転させるのが今回の目標。装置の使い方は、まず球体の中に水を入れ、熱すると、中の水が沸騰し蒸気になります。すると内部の圧力が急速に高まり、蒸気が逃げられるのは球体についている異なる方を向いた2つのノズルだけ。蒸気が外に出るときに生み出される推力で回転が始まるというものです。
●ピンポン球と液体窒素を使って実験
この装置の金属製の球体をピンポン球に、水を液体窒素に替え、同じ原理で回転させてみます。液体窒素を使うことで火を使わずに済み、より手軽に実験ができるとのこと。液体窒素が気化するときに700倍まで膨れることを利用します。
まず、ピンポン球に針で穴をあけ、液体窒素の入り口とガスの出口を作ります。次に、ピンポン球を液体窒素につけ、取り出したら透明なケースの中に投げ入れます。もしかすると破裂する危険もあるかもしれないそうです。さて、どうなるのでしょう?
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●ピンポン球が高速で回転!
ケースに投げ入れられたピンポン球は、どんどん回転数を速め、ものすごい速度で回りながら転がっていきました。実験は成功です! 続いて、ピンポン球の半分を黒で塗りつぶし、木枠の中で回転させ、タコメーターで速度を計ると、1万1000回転/分、1万8000回転/分、1万3000回転/分を記録しました。
さらに、ボールを加熱してより速度を上げるために、お湯を入れた皿に置いてみます。こちらは計測するのも困難なほど高速で回転し、皿から飛び出してしまいました。
この他にも、お湯ではなく水を皿に入れる方法を試しましたが、こちらはすぐに回転速度が落ちて止まってしまいました。それから、摩擦無しでピンポン球を回転させるため、超電導体で浮かせて回転させる方法も、同様に失敗しました。
●「奇想天外な技術」「すばらしかった」と反響
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コメント欄では、「古代人は革命に長けていたんだよね」「冒険というのにふさわしい奇想天外な技術だ」「すばらしかった。信じられないスピード、音も最高だった」「鉄球でもできるのかな?」「プロペラの羽が付いた球体を3Dプリンタで作れないかな? それが空を飛んでいったらすてきだよね」などの声が寄せられています。
YouTubeチャンネル「The Action Lab」(@TheActionLab)では他にも、「クラインのつぼを満タンにすることは可能?」「“水の傘”で雨を防げるか?」「“水”のフライの作り方」など、好奇心をくすぐる科学実験動画をたくさん発信しています。
画像引用:The Action Lab(@TheActionLab)さん
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