日本馬は19年から23年まで5年連続で海外G1を制しているが、今年はここまで未勝利となっている。そこで5年間の主な勝ち馬、勝ち鞍を紹介したい。
18年の未勝利から一転、19年は大豊作だった。ドバイターフのアーモンドアイを皮切りに、ナッソーSのディアドラ、コックスプレートのリスグラシューなど過去最多となる年間8勝。年末の香港では3勝を挙げた。続く20年は悔しいレースが続いたが、12月に香港スプリントをダノンスマッシュ、香港Cをノームコアが制覇。そして21年はラヴズオンリーユーがBCフィリー&メアターフなど3勝。僚馬のマルシュロレーヌはBCディスタフで日本馬初となるBC制覇を成し遂げた。22年はドバイターフでのパンサラッサの1着同着が印象的。そして昨年はパンサラッサがサウジC、イクイノックスがドバイシーマクラシック、ウシュバテソーロがドバイワールドCを制するなど、中東での活躍が目立った。
4年前のように土壇場での連続年勝利継続に向け日本馬の負けられない戦いが始まる。今週末の香港国際競走には、4レースに9頭の日本馬が参戦予定だ。1レース目の香港ヴァーズ(3歳上・G1・芝2400m)はステレンボッシュ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)に期待がかかる。春は桜花賞が1着、オークスが2着。休み明けの秋華賞は万全とはいえない中、渋太く脚を使って3着に食い込み、地力を示した。叩き2戦目の今回は2つ目のタイトル獲得といきたい。続く香港スプリント(3歳上・GI・芝1200m)はスプリンターズS覇者のルガル(牡4、栗東・杉山晴紀厩舎)に注目。スプリント路線は香港馬が圧倒的に強いが、意地を見せられるか。
3レース目の香港マイル(3歳上・G1・芝1600m)には、ジャンタルマンタル(牡3、栗東・高野友和厩舎)とソウルラッシュ(牡6、栗東・池江泰寿厩舎)が挑む。ともに今年のマイルGI覇者。パワーを要する香港の芝も合うイメージで、高確率で好勝負になるだろう。そして最後の香港カップ(3歳上・GI・芝2000m)にはタスティエーラ(牡4、美浦・堀宣行厩舎)とリバティアイランド(牝4、栗東・中内田充正厩舎)がスタンバイ。昨年の日本ダービー馬とオークス馬。ともに今年は未勝利だが、異国の地で完全復活となることを願いたい。
近年、世界各地のG1で活躍をみせる日本馬たち。ここで連続年海外G1制覇という記録を継続し、来年以降の更なる活躍に弾みをつけることができるか。日本馬が参戦する今年最後の海外G1で、大きな期待を託された9頭の“日本代表”に大きな声援を送ろう。