ベンチャー企業を立ち上げた野心家の夫を13年間支え続けた専業主婦。会社は成功し、2人の子どもにも恵まれた矢先、複数の不倫が発覚。怒りに任せて離婚を切り出すも、夫は「会社にお金がない」と養育費月3万円を提示…。業績好調なはずの会社の財務状況に疑問を抱く妻の苦悩に、離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが答えます。
【写真】ギャンブル依存症の夫が慰謝料、養育費を払ってくれるのか不安
【相談】浮気発覚後の離婚、会社を隠れ蓑にする夫
結婚13年目、小学生の子どもが2人いる41歳の専業主婦です。5歳年上の夫とは、友人の紹介で知り合い、交際がスタート。結婚前から夫が立ち上げたベンチャー企業を私は手伝っていました。当時から夫は野心家で、そこに惹かれた私は彼の会社が軌道に乗ることを夢見て「この人を支えたい」という思いから結婚を決断しました。
幸運なことに、夫の会社はまもなく大きな業績を上げることができ、私たちの生活は安定しました。2人の子どもにも恵まれ、私は安心して専業主婦として夫を支えながら子育てに専念する毎日を送っていました。
ところが半年前に、夫が会社の女性と数年間にわたって不倫関係にあったことが発覚。追及するうちに、他にも浮気をしていたことが明らかになったのです。これから子どもが成長していくところなのに、「なんて無責任なのだろう」と憤慨した私は、思い余って「離婚します!」と夫に言ってしまいました。
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腹立たしいことに、夫はあっさりと離婚を承諾。あれよあれよと離婚話は進んでしまったのです。夫からの離婚の条件は、慰謝料ゼロ、子どもの養育費は2人合わせて月に3万円。「お前から言い出した離婚なんだし、オレにはお金がないから仕方ないだろう」と言うのです。
焦った私はその後いろいろ調べてみると、たしかに夫の会社にはお金があまりないようでした。会社の売り上げは伸び続けているのに、私がもらえる月々の生活費が10年前から変わっていないのも謎です。
夫や夫の会社にお金がないはずはありません。どうしたらいいのでしょうか。
【岡野さんの回答】 「手ごわい相手」と思って、専門家と相談のうえ戦略を練って
自分のもとを去っていく人に対して、手のひらを返したように冷徹になるタイプの人はいるもの。今回のケースのように、離婚という形で自分から離れていこうとしている妻に「1円だってくれてやるものか」と意地になる夫もいなくはないのです。
夫の主張する2人の子どもの養育費「月合計3万円」は破格の低さです。夫が言う「お金がない」を切り崩す必要があるでしょう。
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まずは、自分で行動するのが難しければ知人の助けを借りるなどして、夫の会社の決算書を手に入れたほうがいいでしょう。「儲かっていないはずがない」という根拠を入手するのです。
もちろん、調停に持ち込んで調査してもらう方法もあります。ただ、「儲けがあっても、経費などを計上すると自分の給料はない」「消費者金融からお金を借りて、事務機器をリースしている」などと、お金がないことを言い募ってくる可能性もあるので、事前に専門家と戦略を練っておく必要はあるでしょう。
大切なのは、必要以上に意地を張らせないことです。本来は養育費だけでなく、慰謝料だって請求できる状況です。「手ごわい相手」だと認識し、意地を張らせることなく私たちのようなプロの離婚カウンセラーか法律に詳しい弁護士と相談し、懐柔策を練るなど綿密に計画を立て、慎重に進めていきましょう。
◆岡野あつこ(おかの・あつこ) 離婚カウンセラー・夫婦問題研究家/課題解決型マッチングメディア「リコ活」アドバイザー
「離婚しないに越したことはない! 」をモットーに、4万件以上の結婚、離婚、再婚相談を受け、数多くの夫婦問題を解決に導く。カウンセラー育成にも力を注ぎ、「マリッジカウンセラー、夫婦問題カウンセラー養成講座」を開講している。
(まいどなニュース/リコ活)
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