元プロサッカー選手の内田篤人が11日、第2回「人生100年時代の物語大賞」の授賞式に出席し、祖父のために赤いスパイクを履いていたことを明かした。
【写真】盾を手渡すグレーのジャケットを着こなした内田篤人 サントリーウェルネスは、高齢者施設の高齢者や認知症の人たちが、地元のJリーグのクラブを応援することで「支える」存在になることを目指す「Be supporters!」の一環として、その活動から生まれた心揺さぶる物語と高齢者施設を表彰している。
内田は、セレッソ大阪を応援する難聴で控えめな女性の物語を朗読。施設の代表者に「個性あふれる応援賞」の盾とトロフィーを手渡した。また、内田は自身の祖父に関するエピソードを披露。「おじいちゃんが、サッカーの試合をテレビで見ている時にどれが僕かわからないので、目立つようにしてくれと言われ、そこから少し赤いスパイクを履くようになった」と打ち明けた。「おじいちゃんが一生懸命、サッカーを見るようになって、おばあちゃんが”ボケ防止になる”と非常に喜んでくれた」と語った。
今回、大賞となったのは神戸市にある高齢者総合福祉施設オリンピア兵庫の利用者、松本照子さん(83)の「愛は生まれ故郷、鹿児島へ。〜推し活で生まれた奇跡〜」と題した物語。松本さんは、藤本憲明の大ファン。鹿児島ユナイテッドFCへの移籍を受け、施設や家族、サポーターからの支援の下、生まれ故郷でもある鹿児島を訪れることが実現。藤本と初対面した。
そのほか、青いアフロで横浜FCを応援した101歳の女性の物語に「いのちの輝き賞」、スタジアム観戦をきっかけに生きる希望を抱くようになった88歳の男性の物語に「ふみだす勇気賞」、他者とトラブルのあった90歳の男性がサッカーを応援することで周囲に馴染んだいった物語に「頼れるセンセイ賞」が贈られた。
イベントには、介護福祉士でモデルの上条百里奈、Jリーグ執行役員の辻井隆行氏、サントリーウエルネス代表取締役社長の沖中直人氏が出席したほか、第2部の”幸福寿命”を考えるパネルディスカッションには、精神科医の和田秀樹氏、京都大学人と社会の未来研究院の内田由紀子教授も登壇した。