夫婦や男女の「すれ違い」をどう考える?【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第33回

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2024年12月11日 18:10  週プレNEWS

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「男女のすれ違い」について語った五十嵐氏(左)と里崎氏(右)

里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール! 日本を代表するレジェンドプレイヤーの2人が、野球からの学びをライフハックに翻訳、「生き抜く知恵」を惜しげもなく大公開。連載の第33回では、「男女のすれ違い」に関する考え方に迫ります!

【写真】里崎智也×五十嵐亮太 対談フォトギャラリー

■そもそも、男と女はわかり合うべきなのか

――前回は「幸せな結婚生活を送る方法」について話が盛り上がりました。今回は「男女のすれ違い」について伺いたいと思います。

五十嵐 男と女は生物学上で違いがあって、考え方が異なる部分もある。前提として「完全にわかり合うことは難しい」と思うんですけど、サトさんはどうですか?

里崎 そもそも、無理にわかり合う必要がないよね。うちは夫婦間でも「あなたの言ってることも間違ってないし、オレの言ってることも間違ってない」という感じで、無理に意見を合わせることがない。考えが違っても、お互いを尊重し合っているなら相手に難しい要求をすることもないから。

五十嵐 ただ、お互いに譲れない部分が強すぎると面倒なことになりそうですね。「そっちはそうだけど、こっちはこう」っていうのを許してくれればいいけど、「いや、違う。絶対にそうじゃない」って言い始めたら終わらなくなるから。もちろん無理やり合わせる必要はないけど、「なんとか合わせたい」という人も世の中にはいると思うんですよ。そうなると、いろいろと無理が生じてくるんじゃないかと。

里崎 だからこそ、「無理にわかり合う必要はない」という考え方が大切になってくると思うんだよね。前回、里崎家における"財務大臣"が俺で、"総務大臣"が妻という例えを出したけど、「家族みんなが楽しく暮らすために」という共通の目標の下、それぞれの役割をきちんとこなせばいい。そうやって割り切ることができれば、夫婦円満、家内安全に近づくはず。

五十嵐 それができれば本当に理想ですね。でも、頭ではわかっているのに「これは譲れない」ことがある人も多いはず。ここが夫婦間において、すごく大事なポイントだと思っていて、どう捉えて対応するかが結婚の醍醐味だと思うんですよ。

里崎 とにかく結婚についても、友人関係についても「お互いになんでもわかり合いたい」と考えると亮太が言ったように無理が生じてくるし、「そんなことは、そもそもできないんだ」と思っていたほうがいい。それは結婚や男女に限らず、人間関係全般において、僕の中で揺るがない信念かな。

■お互いの「違い」を楽しめるか

五十嵐 僕は結婚したことで、「まったく新しい価値観を知った」という感じがあります。自分の当たり前じゃない当たり前に、直面する場面が多かったので。だけど、その経験を通じて、自分自身が何か新しいものを見つけられる可能性がある。それこそが結婚の醍醐味なんじゃないかな。

里崎 それを「醍醐味だ」と捉えるか、「面倒だ」と捉えるかで、結婚に対する考え方も変わってくるよね。今は「面倒だ」と考える人が多くなっているから、そもそも「結婚なんてしなくてもいいや」という傾向が強くなっているのかもしれない。

五十嵐 結婚って、一見「面倒だ」となりそうなことが多そうですからね。でも、夫婦でともに年を重ねていくことや、子どもが生まれて成長することに喜びを感じるとか、結婚したからこそ感じられる幸せもある。

そんな経験は、自分で体験してみないとわからないことだし、今まさに「面倒だ」と感じている夫婦も「あれを含めてよかったね」と感じることができれば、さらに人としての深みが増すというか、人間としての"味"になっていくんじゃないかと。それが、結婚のいいところのひとつだな、と思うんですよね。

里崎 それは「結婚」じゃなくても体験することは可能だし、独り身のほうが圧倒的に「自由度」は高いけど、それでも結婚するということは、また違った喜びやメリットがあるからなんじゃないかと。「喜び」というのは亮太が言ったようなことで、「メリット」というのは言い方はよくないかもしれないけど、税金や財産分与、医療面だとか、社会的な保証が受けられるということもあるだろうから。

五十嵐 確かに面倒くさい面もあるかもしれないけど、「その面倒も含めて楽しい」と思うんですよ。それをシンプルに「嫌だ」って言い切っちゃう人は、「あまり魅力的じゃないな」って思われちゃうんじゃないかな。

里崎 その違いを楽しめるかとか、その違いが刺激になるとかが円満の秘訣。一方で、そうじゃなくなった時が「破綻の始まり」と言えるのかもしれない。

五十嵐 お互いがつらいだけとか、あまりにも価値観が違いすぎてまったく譲歩できなくなってしまうとか、それだと終わりが見えちゃいますね。うちも夫婦喧嘩をしたこともあったけど、根本に相手のことを思いやる気持ち、敬意があるから折り合いをつけることができた。その結果、どんどん日常生活が面白くなっていくんですよ。

里崎 それが、前回僕が言った「相手に抱いた敬意は変わらない」ということでもあるんだよね。

■パートナーとの生活の形は多様になってきている

五十嵐 今の日本は、婚姻率の低下や少子化といった問題、事実婚などパートナーとの過ごし方の形などが話題になっていますよね。価値観が変わってきている現状では、ひと口に「結婚」といっても、「いろいろな考え方があるんだな」とあらためて思います。

里崎 僕らの世代の考え方と、若い人たちの考え方も違っているだろうし、今後もさらに変わっていくかもしれない。将来、いわゆる法律婚ではなくて事実婚を望むほうが多くなる可能性もある。子どもを持つ親のほうも、そういうことを考えておく必要があるよね。

五十嵐 確かにそうですね。でも、いざ子どもの考えに疑問があったとしても、「親がいろいろ理屈をつけたところで......」という感じもあるかな。子供にはそれぞれの考え、人生があるわけだから受け入れるしかない。僕は娘に対してもそういうスタンスですけど、理解できない部分があったら「どうして、そう考えたの?」とは聞くかもしれません。そこで、「ただ、なんとなく」という理由だったら、僕の考えを伝えて、あらためて考えてもらうようにしますかね。

里崎 事実婚は、「夫婦別姓が可能」「別れても戸籍情報が変わらない」というメリットを挙げる人が多い印象があるかな。一方のデメリットとしては、「子どもの親権は原則として母親のみ(父親は認知が必要)」「配偶者控除など、さまざまな控除の対象外」とかがある。ただ、最近では事実婚カップルが増えていることで、それをカバーする手続きの案内とか、新たに整備をしている自治体も出てきた気がする。

五十嵐 そこは同性カップルなども含め、「パートナーシップ制度」が認められて、法律婚と同様に行政や民間のサービスも受けやすくなっている自治体もあるそうですね。それぞれの受け止め方や、制度や法律の整備などは見守るしかない部分はありますけど、やっぱり基本の「自分とパートナーの人格は別なんだ」ということを忘れてはいけない気がします。

里崎 そういう「そもそも違う」ということを前提として、関係性を築いていくことがベストかな、と思うよね。

――ありがとうございました。そろそろお時間となりました。実体験に基づく「結婚論」「夫婦論」、とても参考になりました。

里崎五十嵐 また次回もよろしくお願いします!

構成/長谷川晶一 撮影/熊谷 貫

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  • 男でも女でも「人間愛」の無い人は嫌いだ。
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