まだ日本で知られていない海外ローカル・プレミアムチョコレートを求め、世界中を飛び回る通販会社フェリシモの「チョコレートバイヤーみり」こと木野内美里さん。毎年バレンタインに向けて発行する「幸福(しあわせ)のチョコレート」カタログ最新版の完成を記念し、11月から12月にかけて全国6都市で恒例の「チョコレート講座」を開催しました。カタログ掲載のチョコを試食しながら、みりさんが語る世界各国のチョコの特徴やトレンド、ショコラティエとのエピソードが楽しめる貴重な機会とあって、多くのファンが参加。12月8日(日)に神戸のフェリシモ本社で開かれた講座を覗いてみました。
みりさんはバイヤー歴28年。「世界の誰も知らないローカルチョコ」をコンセプトに34カ国を訪れ、これまで日本に初上陸させたブランドは328社以上、約2900種にも上ります。
講座で試食できたチョコは、ビオコの「ガーナコーヒー&ビーントゥバーチョコレート」(ガーナ)/ライラの「ヘーゼルナッツチョコレート」(スロバキア)/ミルザムの「ラガグ」(UAE)/ローレンスの「ワッフル」(ギリシャ)/シェズチョコレートの「アーモンドチョコ」(ギリシャ)/ラ・ウェーブの「ポップコーン」(ブルガリア)。ミルクを使わないヴィーガンチョコや、デザイン性の高い最先端のチョコ、噛むごとに食感や風味が変化していくチョコなど、いずれも個性的な特長が魅力の希少なローカルチョコばかりでした。
みりさんは、それぞれの店のショコラティエについても熱く紹介。日本のチョコとはまた違う味わいの“秘密”について解説しつつ、「世界にはこのレベルの天才がごろごろいるんです。面白くてしゃあないです」と笑顔で語りました。
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どうなる?カカオショック
講座では、2024年のチョコ界最大のトピックである「カカオショック」にも言及がありました。現在、カカオ大国として知られるガーナと隣国コートジボワールでカカオの収穫量が激減。みりさんによると、異常気象やカカオの病害が広がったことで不作となっていることに加え、貧困によるカカオ農家離れ、カカオの木の老齢化、金の採掘による畑の消滅など、問題が複雑に絡み合っているといいます。今後、カカオの希少化、高騰は必至で、みりさんは「大手はまだ在庫があるが、いずれカカオを使わずチョコを作る時代が到来するかもしれない」と懸念。今のうちにカカオの品種改良などで対抗する必要性があることを指摘しました。
流通の発展による世界のチョコの「標準化」、実力のあるショコラティエが田舎で店を出す「小規模化」などのトレンド、TikTokきっかけでのドバイチョコレートの大ブレイク、ブラックサンダーは児童労働撤廃に取り組むカカオ豆の使用を進めているといったトリビアの紹介もあり、会場に集まったチョコ愛好家たちの知的好奇心を大いに刺激していました。
「幸福のチョコレート」申し込みは、FAXと郵送は12月15日(日)必着。WEB、アプリからはバレンタイン便が2025年2月2日(日)23時59分、ホワイトデイ便が2025年3月2日(日)23時59分まで。
(まいどなニュース・黒川 裕生)
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