今年も忘年会シーズンがやって来た! 上司世代もわかり、かつ時事を絡めた選曲をすれば株が上がること間違いなし! そんなお助け曲をお教えします!
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■今年歌! さぁ歌いましょう
忘年会シーズン到来!
2次会はカラオケなんて流れも多そうだけど、まずはビジネスカラオケのマナーの鉄則を。教えてくれたのは『今こそ使える昭和の仕事術』(かんき出版)の著者で、サラリーマンの処世術に詳しいコラムニストの後田良輔(うしろだ・りょうすけ)氏。
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「基本的に上司、先輩世代は楽しそうに歌えば満足してくれます。やってはいけないのは『歌をなかなか入力しないこと』。いつまでたっても曲を入れず、先輩が『入れないの?』なんて言ってから入力するのは失礼。なので、最初から歌う曲を決めておくといいでしょう」
つまり準備が必要。というわけで、上司や先輩世代が置いてけぼりにならず、時事ニュースをうまく絡めた今年の忘年会で使えそうな曲をまとめてみたので、チェックしておこう。
まずは、今年亡くなった有名人にまつわる曲から。
前出の後田氏が切り込みとして外せない一曲を教えてくれた。
「今年3月に亡くなった鳥山明氏をしのんで、アニメ『ドラゴンボール』の初代オープニングテーマ『魔訶不思議アドベンチャー!』を歌いましょう。上司世代の男性で知らない人はいないですし、替え歌も豊富にできます。孫悟空のモノマネで『盛り上がってんのか?』と間奏中に言えたらベストです」
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トレンドリサーチライターの中川哲司氏が漫画、アニメコンテンツといえばこの曲も欠かせないと続ける。
「9月に亡くなった大山のぶ代氏が声優を務めた『ドラえもん』のアニメオープニングテーマ『ドラえもんのうた』もオススメ。決めゼリフは誇張しすぎるくらいの大山版ドラえもんのモノマネでしっかり盛り上げましょう」
芸能事務所で働きつつ、間借りスナックのママとして毎週末カラオケをしている池田桃子氏が薦めるのはこちら。
「11月に逝去された詩人・谷川俊太郎氏が作詞した合唱曲『春に』。『この気もちはなんだろう』と何度も繰り返されるこの曲を学生時代に合唱で歌って覚えている人も多いのではないでしょうか。うまくいけば混声3部で大合唱が起こるかも。20代の合唱定番曲ですが、子供のいる上司世代も聞いたことがあると思います」
名俳優のこの曲も欠かせない。後田氏が語る。
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「10月に虚血性心疾患で亡くなった西田敏行氏の名曲『もしもピアノが弾けたなら』。歌い終わりで『私はドクターXが好きだったんですが、皆さんは西田敏行のどの作品が印象に残ってますか?』と聞くと世代間ギャップが表れて、ひと盛り上がりしそうです」
「西田敏行氏といえば」と中川氏が続ける。
「西田氏が局長を務められたバラエティ『探偵!ナイトスクープ』のオープニングテーマ『ハートスランプ二人ぼっち』は、関西人の多い会ではウケること間違いなし! 2代目局長の西田氏がお亡くなりになり、3代目局長の松本人志氏が芸能活動を自粛した2024年。何かと話題になった番組です」
池田氏がさらに続ける。
「松本氏つながりでいうと、作詞された『チキンライス』も使える一曲。『この一年テレビで見なかったので』と思いを込めて歌いましょう。特にクリスマスシーズンが近くなってくると、よりいっそう響くと思います」
■ヒットコンテンツやニュースからの選曲
今年のヒットコンテンツに絡めた選曲も有効。後田氏が推すのがこの曲。
「大ヒットしたネットフリックスシリーズ『地面師たち』で好演したピエール瀧氏のユニット、電気グルーヴの『Shangri-La』です。小道具としてハットを用意して歌いつつ、最後は流行語大賞にもノミネートされた『もうええでしょう』のひと言でシメましょう。
さらにこちらもヒットしたネットフリックスシリーズ『極悪女王』にちなんで、長与千種(ながよ・ちぐさ)氏とライオネス飛鳥氏のユニット、クラッシュ・ギャルズの『炎の聖書』を歌い上げましょう。劇中では唐田えりか氏と剛力彩芽氏が演じましたが、それをお手本にして、できればふたり組で振り付けを覚えて歌いたいところです」
中川氏が続ける。
「猫ミームの流行により、今年いろんな人が耳にしたアヴリル・ラヴィーンの『Girl friend』も使える一曲。『この歌、ポップなようで、実は略奪愛がテーマの激しい曲なんですよ』と小ネタも挟みましょう」
今年は災害や選挙など大きな動きもニュースになった。中川氏が語る。
「地震や大雨などに見舞われた能登地方を思い、石川さゆり氏の『能登半島』を歌い上げましょう。決してヘラヘラすることなく、涙ぐむくらい真剣に歌うこと。前段で『津軽海峡・冬景色』や『天城越え』を歌ってからの流れがベストです」
池田氏は衆議院議員総選挙に絡めたこんな選曲を。
「103万円の壁が話題になっていますが、この見直しを選挙で主張した玉木雄一郎氏の不倫もニュースになりました。なんとなくその不倫を連想させる歌詞なのが『金太の大冒険』。長年、その歌詞から『放送禁止曲』といわれていましたが、今年CBCテレビで地上波放送されたことも話題になりました。その豆知識を披露してもよいでしょう」
そして、最後はアメリカ大統領選挙に絡めたこの曲。中川氏が推す。
「鉄板ですが、DA PUMPの『U.S.A.』は使えます。トランプ氏賛成派や反対派もいると思うので、お酒の席で踏み込むのは控えたいところ。『トランプ再選!』くらいの事実のみを叫ぶようにしましょう」
自分はこの曲ならいけると思ったら、事前に準備を!
取材・構成/黄 孟志(かくしごと) 写真/時事通信社 PIXTA