FA宣言した広島の九里亜蓮が12日、オリックスへのFA移籍が決まった。
九里は13年ドラフト2位で広島に入団すると、近年は先発での登板が多いが、19年までは先発、リリーフにフル回転。20年から本格的に先発1本で勝負し、同年に自身初の規定投球回に到達。翌21年には13勝を挙げ自身初の最多勝のタイトルを獲得した。昨季はリーグ最多の174回1/3を投げ、今季は規定投球回に届かなかったが、23試合・131回2/3を投げ、7勝10敗、防御率3.21だった。17年から8年連続で100イニング以上投げるタフネス右腕だ。
来季から今季までプレーしていたセ・リーグからパ・リーグの野球に変わる。当時と状況が異なり全く参考にならないが、セ・リーグからパ・リーグにFA移籍した投手の移籍1年目にどんな成績を残したのか見ていきたい。
まずは、これまでセ・リーグからパ・リーグの球団にFA移籍した投手を見てみると、仲田幸司、石井一久、中田賢一、又吉克樹の4例ある。九里のように先発で実績を残してきた投手で言うと石井、中田が当てはまる。
石井は05年にメッツでプレーし、06年からヤクルトに復帰し06年が11勝、07年が9勝、2年連続で規定投球回に到達し、07年オフに西武へFA移籍。西武に移籍した08年は、移籍後初登板となった3月22日のオリックス戦で7回無失点に抑え移籍後発白星を手にすると、ここから自身3連勝。5月を終えた時点で、6勝を挙げた。6月11日の阪神戦から7月15日のソフトバンク戦にかけて自身4連敗があったが、最終的には25試合・135回1/3を投げ、11勝10敗、防御率4.32でリーグ優勝に貢献、日本一に貢献した。
中田は04年ドラフト2巡目で中日に入団し、07年に自身初の規定投球回到達(170回1/3)、2桁勝利(14勝)をマークするも、その後は2桁勝利、規定投球回を到達したことがなく、中日最終年は先発とリリーフをこなし、40試合に登板して、4勝6敗15ホールド、防御率3.40だった。13年オフに中日からソフトバンクにFA移籍すると、1年目の14年3月29日のロッテ戦、6回2失点で移籍後初白星を手にし、この登板から4月26日の西武戦にかけて自身5連勝。5月は0勝3敗だったが、6月以降はコンスタントに白星を積み重ねていき、最終的には25試合・145回を投げ、11勝7敗、防御率4.34でリーグ優勝、日本一の立役者となった。
九里は新天地となるオリックスで広島時代のようなタフネスぶりを発揮し、チームを2年ぶりのリーグ優勝に導くような投球ができるか注目だ。
【セ・リーグからパ・リーグにFA移籍した投手】
<95年オフ>
仲田幸司
95年:9試 0勝2敗−H0S 防9.56(阪神)
96年:9試 0勝1敗−H0S 防6.23(ロッテ)
<07年オフ>
石井一久
07年:28試 9勝10敗0H0S 防4.16(ヤクルト)
08年:25試 11勝10敗0H0S 防4.32(西武)
<13年オフ>
中田賢一
13年:40試 4勝6敗15H0S 防3.40(中日)
14年:25試 11勝7敗0H0S 防4.34(ソフトバンク)
<21年オフ>
又吉克樹
21年:66試 3勝2敗33H8S 防1.28(中日)
22年:31試 3勝3敗14H1S 防2.10(ソフトバンク)
<24年オフ>
九里亜蓮
24年:23試 7勝10敗0H0S 防3.21(広島)
25年:?(オリックス)