日銀が13日発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス14となり、9月の前回調査から1ポイント改善した。改善は2四半期ぶり。堅調な設備投資需要や自動車関連の認証不正問題に伴う生産・出荷停止からの回復が下支えしたが、中国を中心にした海外経済の減速を受けて鉄鋼や金属製品などで輸出が伸び悩み、小幅な改善にとどまった。
大企業非製造業はプラス33(前回プラス34)と2期ぶりに悪化。価格転嫁に進展は見られるが、人件費やエネルギー価格の高騰が響いた。
DIは、業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いて算出する。
大企業製造業のうち自動車はプラス8(プラス7)、汎用(はんよう)機械がプラス29(プラス23)と改善。生産用機械も設備投資の伸びを受けてプラス21(プラス13)と好調だった。一方、輸出低迷で鉄鋼がマイナス8(マイナス5)、金属製品がプラス6(プラス11)といずれも悪化。食料品も原材料などのコスト高で悪化した。
大企業非製造業では宿泊・飲食サービスがプラス40(プラス52)、小売りがプラス13(プラス28)と大幅に悪化。人件費高騰に加え、人手不足による需要の取りこぼしも影響した。建設や運輸・郵便は価格転嫁が進み、改善した。
中小企業は製造業がプラス1(0)、非製造業がプラス16(プラス14)と、いずれも2期連続で改善。非製造業は1991年8月以来の高水準だった。