「水膨れ」指摘の補正予算は無駄の温床?少数与党が“修正”… 異例の展開で今年度補正予算が衆院可決【news23】

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2024年12月13日 12:48  TBS NEWS DIG

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12日、2024年度の補正予算案が衆議院で可決。補正予算案をめぐっては、成立に向け少数の与党が野党側に譲歩する異例の展開となりました。国民民主党と日本維新の会は、それぞれが主張する政策で与党と合意し、予算案に賛成。立憲民主党が求めた能登半島の復興予算の積み増しも与党側が受け入れて予算案を修正、この修正案が可決されました。

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一方、会計検査院の調査では、2022年度の補正予算で使いみちが確認できたおよそ19兆円のうち、46%にあたる8兆円あまりが使われず、2023年度に繰り越されていました。全額繰り越された主な事業には、▼クリーンエネルギー車の導入補助699億円や、▼畜産・酪農の収益力強化291億円、▼米粉の利用拡大139億円などがありました。

補正予算案が衆議院で可決 与党側が“修正”

藤森祥平キャスター:
今年度の本補正予算案が衆議院で可決されました。補正予算案を巡っては、成立に向けて少数の与党が野党側に譲歩する形で進む異例の展開になりました。

国民民主党と日本維新の会は、それぞれが主張している「103万円の壁」や教育無償化について与党と合意し、今回の補正予算案に賛成する形をとりました。

さらに、立憲民主党が求めていた能登半島の復興予算の積み増しも、与党側が受け入れて修正案が修正され、結果的に可決されました。

小川彩佳キャスター:
予算案が修正されて可決されたのは28年ぶりです。やはり国会の構図が変わったことで、こうしたことにも影響が出ているのでしょうか。

教育経済学者 中室牧子さん:
修正があったことについて野党は比較的ポジティブに見ているようですが、結局いろんな要求を飲むことによって、当初13兆円の前半ぐらいで着地するのではないかと言われていたのが14兆円に膨らみました。

藤森キャスター:
じわじわと膨らんだ補正予算が13.9兆円に上っています。近年は、このような「水膨れ」が指摘されています。

会計検査院の調査によると、2022年度の補正予算で使い道が確認できている約19兆円のうち、ほぼ半分の46%に当たる8兆円余りは、使われずに翌年23年度に繰り越されていました。

全額繰り越された主な事業を見てみると、クリーンエネルギー車の導入補助や畜産・酪農の収益力の強化、さらには米粉の利用拡大などにそれぞれ充てられていることがわかりました。

「pay as you go」方式で予算削減にインセンティブを 

小川キャスター:
補正予算について財政法では、緊急となった経費の支出に限っているわけですが、繰り越されたということを見ると、その緊急性に疑念を持たざるを得ません。

教育経済学者 中室牧子さん:
コロナの影響で補正予算が非常に大きく増えてしまい、それを元に戻すことができていません。

霞が関で仕事をしていると、役所の人たちは「補正に逃がす」という言い方を結構よく使います。要は、補正予算を前提にして、当初予算の中では入れなかったものを補正予算に入れるということです。これは補正予算というものの本来の意義を誤っていると言わざるをえないと思います。

小川キャスター:
緊急性という考え方からは程遠い感じがします。何か対処する方法はあるのでしょうか。

教育経済学者 中室牧子さん:
私がかねてからデジタル行財政改革会議などで提案してるのは、アメリカのオバマ政権下で「pay as you go」方式がとられていましたが、そのようなことを日本でも取り入れてはどうかということです。非常に簡単に言うと、何かを増やすのであれば何かを減らすということです。

特に役所の側から見ると、時代に合わなくなった行政事業を自分たちで削減すれば、来年度新しい事業をするときに優先的にお金をつけてもらえるといった方式にしておけば、内側からも削減する意欲やインセンティブが湧きます。

こういった方法をとることで、予算の削減にインセンティブを与えたり、あるいは使い方の効果をチェックする仕組み作りができればいいのではないかと思います。

藤森キャスター:
トータルで額面がある程度決まっている中で、例えば社会保障費を増やしたいのであれば、新たに持ってくるのではなくて、他の政策から何とか捻出しようという工夫なんですね。

教育経済学者 中室牧子さん:
同じ年度内に、もし新しいことをやるんだったら、他の義務的経費を削減するなどするということです。

藤森キャスター:
何かしらの対策や仕組み作りが必要になると感じます。

『補正予算』について「みんなの声」は

NEWS DIGアプリでは『補正予算』について「みんなの声」を募集しました。
Q.補正予算の未執行や多額の繰り越し どう思う?
「見通しが甘く 問題」…55.8%
「緊急性があるか疑問」…35.8%
「仕方がない」…5.7%
「その他・わからない」…2.7%

※12月12日午後11時24分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは13日午前8時で終了しました

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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 著書「学力の経済学」など
教育をデータに基づいて分析

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  • 教育経済学者/中室牧子氏:米オバマ政権「pay as you go」方式=何かを増やすのであれば何かを減らす、と。が、これでは予算規模が増えない=停滞、と言う事に成る。
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