テレビ局には番組を観た視聴者から様々な声が寄せられる。TBSテレビの「視聴者センター」は、こうした声を集約し番組制作の現場にフィードバックさせるのが仕事だ。担当者が寄せられた“声”の一端を紹介する。今回は、毎年、師走になると寄せられる声から。
12月に入り、イルミネーションとツリーで街が彩られる季節になりました。この時期になると毎年気になるのが、クリスマスに関するご意見です。
小さなお子さんがいるご家庭では、サンタクロースにもらうプレゼントを何にしようか、わくわくしながら話したり、クリスマスの準備を楽しんだりしている頃かも知れません。そんなタイミングで、“プレゼントを用意する大人の事情”などといったことに触れた放送があると、必ずご指摘をいただきます。
“ニュースで「今年のクリスマスプレゼントの予算」という言い回しがありました。子どもとみている時間にこのニュースはできたらやめて欲しいです。子どもが「どういうこと?」と聞いてきて困ります。”(30代女性)
“芸人さんが番組で「サンタさんの稼ぎ」という言葉をつかって、クリスマスプレゼントの話をしていました。子どもも観る番組です。小学生の子どもが「今のどういう意味?」と聞いて大変でした。親の努力をむだにしないでほしいです。”(40代女性)
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小学生になってくると、色々わかるようになってきているでしょうし、親目線になってみると、不用意な大人の発言にやきもきする気持ちがわかります。ご家庭によってお子さんに何をいつ伝えるかは様々ですし、それをテレビに不意に言われてしまうと対応に困るのは、想像に難くありません。
制作現場もこの時期は毎年気をつけていて、互いに注意喚起もしています。それでもご意見をいただくことがありますが、こうした皆様からのご意見は、該当の現場だけでなく、全社で共有して意識を高められるように心がけています。
言葉の使い方にも、いつも多くのご意見をいただきます。
最近気になったのは、2か月で2件のご指摘があったこちらでした。
“「ダントツ トップ」との説明がありましたが、「ダントツ」とは断然トップの意味です。”(70歳以上 男性)
ご指摘の通り、断然トップ=ダントツなので、ダントツ1位とか、ダントツトップだと重複しています。うっかり使ってしまいそうで、普段から気をつけないと、と思いました。
こうしたご指摘の際、「放送では正しい日本語を使って下さい」という一言もいただくことが多いです。改めて、テレビに求められるものに身が引き締まる思いがします。
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<執筆者略歴>
浜崎 由佳(はまざき・ゆか)
1995年TBS入社
ラジオ局、報道局、事業局などを経て、編成考査局。現在カスタマーサクセス室長
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版(TBSメディア総研が発行)で、テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。2024年6月、原則土曜日公開・配信のウィークリーマガジンにリニューアル。