Aさんは学生時代から、その特徴的な声で周囲の注目を集めていました。アニメキャラクターの声に似ているという周囲の評判に、最初は戸惑いを感じていたAさんでしたが、次第にそれを自分の個性として受け入れるようになりました。
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社会人になったAさんは、ある日同僚との飲み会で偶然にもその才能を披露します。「あのキャラクターの声でセリフを言ってよ」という軽い冗談から始まったものの、Aさんが声を発した瞬間、場の空気が一変しました。その再現度の高さに皆が驚きの声を上げたのです。
この経験をきっかけに、Aさんは自分の声の才能を活かす方法を真剣に考え始めました。ある日インターネットで音声配信サービスの広告を目にし、これこそが自分の才能を活かせる場所だと直感しました。副収入を得られる可能性に心躍らせながら、Aさんは早速準備を始めました。
録音機材を購入し自宅の一室を簡易スタジオに改造したAさんは、熱心に練習を重ね、その努力の甲斐あってモノマネの技術を日に日に向上させていきました。
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いよいよ本格的に音声配信を始めようとしたある日、Aさんは知人から「著作権的には大丈夫なの?」と質問を投げかけられました。その言葉にAさんは初めて法的な問題の可能性に気づかされました。
確かに自分が模倣しているキャラクターには著作権が存在するはずです。では声だけの模倣でも問題になるのでしょうか。まこと法律事務所の北村真一さんに伺いました。
ーアニメキャラクターの声真似は著作権上、問題にはなりませんか
著作権で保護される著作物は、思想又は感情を創作的に表現したものとされており、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものが対象です。小説、音楽、絵画、アニメ、漫画、映画等が身近な具体例です。
声は著作権で保護される対象ではないため、声まね自体は問題ないといえます。
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ーモノマネする際に気を付けるべき点はありますか
モノマネをする際に、歌を歌ったり、そのキャラクター特有のセリフを言ったりすると、著作権上、問題になる可能性があります。
モノマネをする上で、本人の許諾をとらなければいけないわけではありませんが、上記のようなトラブルの可能性も考慮して作品を製作したほうがいいでしょう。
◆北村真一(きたむら・しんいち)弁護士 「きたべん」の愛称で大阪府茨木市で知らない人がいないといわれる大人気ローカル弁護士。猫探しからM&Aまで幅広く取り扱う。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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