90年代、関西初のビッグバンドとして「新・オバケのQ太郎」や「ジャングル日和」などで異彩を放っていたモダンチョキチョキズ(以下・モダチョキ)。2022年のデビュー30周年を機に本格的に復活、再起動している。平成から令和へとアップデートしたモダチョキについて、そして俳優としての活動についてヴォーカルを担当している濱田マリに話を聞いた。
――モダチョキが復活という情報を聞いた時にはびっくりしました!
濱田:今から2年前の2022年に、デビューしてから30年経ったことと、古巣である難波・ベアーズというライブハウスへの里帰りも兼ねて、プライベートライブをしたんです。中心になって動いてくれたのは、リーダーでありベース担当のブライアン絵野。前の年に一度ライブはやってるんですが、そこでは一夜限りと謳っていました。
以前から、私も含め、それぞれのメンバーの中に「もう一度モダチョキやりたい」っていう気持ちはずっとあったと思うんです。でも人数が多いし、クリアしなきゃいけないことが山ほどあるし、責任もある。そんなこんなで「またやりたいよねぇ!」なんて言ってはいましたけど、みんな躊躇していました。そんな中、ブライアン絵野が「面倒なことは全部僕がやります!」と手を挙げてくれて…正直嬉しかったです。そこから令和モダチョキとして動き始めてはや3年という感じです。
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おそらく、30代や40代では実現しなかったかも。まさに今この年齢になって、平成モダチョキのメンバーそれぞれの事情や思い、タイミングが合わさって、令和モダチョキの活動ができるようになったと思います。
――現在は年に2回のライブを主に関西で行なっていますが、実際、令和モダチョキになっていかがですか?
濱田:モダチョキの活動をしていなかった間も、ほとんどのメンバーはミュージシャンとして音楽漬けの日々を送っていたわけですから、昔よりもプレイヤーとしてのスキルが上がっているわけです。平成モダチョキの頃の私は若くて、音楽知識も乏しく、モダチョキが目指す音楽に自分だけ乗れていないかも…というネガティブな自覚とコンプレックスがあって、ライブ中も後ろを向いてメンバーとアイコンタクトを取るなんて事が怖くて出来なかったんです。でも令和モダチョキとして再開するにあたって、初めてボイストレーニングというものに通い、万全の体制で参加するようになると、自然に後ろを向いてメンバーとバチバチにアイコンタクトしながら歌えるようになりました。ボイストレーニングのおかげで昔のキーで歌えますし、なんなら若い時より2つ高い音が出せるようになりました。
そして改めて音楽と向き合い、楽曲を作ったメンバーへのリスペクトも感じながら、「一曲一曲大切に歌わなきゃ!」という気持ちになりました。あと、平成からのお客さんもいるし、令和からのお客さんもいる。そのどちらに対しても、歌の歌詞をしっかり聞き取ってもらえるように意識して歌っています。私がイラっとする事の一つが、人のライブで歌詞が聞き取れないことなんです。多分、共感してくれる方も多いかと。だからこそ歌詞をしっかりと伝えたい。そしてそこに感情をうまく乗っけて、モダチョキの世界観を表現できたらと思っています。ちなみにフロントメンバーである保山宗明王さんが書いた歌詞(『有馬ポルカ』『エケセテネ』など)って凄いなぁと。こんな歌詞、誰にも書けないよなぁと思いながら歌っています。
――モダチョキの活動を経て俳優として活動されて25年以上経ちますが、ご自身で転機になった作品はなんでしょう?そして自分にとって俳優というのは?
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濱田:俳優としてのデビューが1997年1月なんですが、まさにその時に参加した『恋のバカンス』というドラマです。主演が明石家さんまさん、演出は水田伸生さん。モダチョキとは全く違う世界は、とにかく新鮮で刺激的でした。自分で言うのもなんですけど、その頃から仕事運がいいんですよね。だから仕事で行き詰まるとか、苦しいとかあんまりなくて…。作品を作る一つのピースとなり、とにかく撮影現場が楽しくなるよう心がけています。一期一会の世界ですが、台本をもらって読んで、現場に行って撮影して、編集作業を待って、最終的に劇場やテレビで作品を見るというプロセスが素晴らしいので、俳優の仕事は大好きです。
――現在、NHKBSで朝の連続テレビ小説「カーネーション」が再放送されており、ドラマの中での濱田さんの存在感がネットで話題になったりしていましたが、関西弁のドラマはいかがですか?
濱田:やりやすいです。共通語で演じるよりも1つ武器を持ってますから。関西弁だとキャラクターを出しやすいです。これまで3本のNHK大阪制作の朝ドラに出演させていただいてるんですけど、2011年の10月から放送された『カーネーション』が初めての朝ドラでした。とにかく台本の分厚さにびっくりしたのと、セットのこだわり、尾野真千子さんやスタッフさんのタフさが印象に残っています。だから再放送はとても嬉しいです。
――まもなくアメリカ村にあるBIGCATで令和モダチョキのライブが行われますが、チケットはすでに完売。生配信もありますが、意気込みを。
濱田:今年8月に神戸チキンジョージで公演したライブの大阪版ですが、神戸編で披露した曲を演奏しつつ、大阪版ならではの曲をプラスして、クリスマスも意識するとかしないとか(笑)何より私は早くお客さんに会いたい。そしてそんなお客さんの前で、歌詞を間違えない!踊りも絶対間違えない!歌詞もしっかり聞き取ってもらえるように歌う!というパーフェクトな歌唱、ダンスを目指しています。だから日々歌詞を忘れないように練習しています。配信でも伝わるように、しっかり歌唱します!
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濱田マリ
1968年生まれ。兵庫県神戸市出身。モダンチョキチョキズの唄と踊り担当として活動後、1997年より俳優としての活動を開始。以後、多くのドラマ・映画・舞台に出演し、ナレーターとしても活躍している。レギュラー番組の『あしたが変わるトリセツショー』(NHK)ではキャラクターの声を担当している
(まいどなニュース特約・仲谷 暢之)
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