立大が「前監督解任ショック」を完全払拭し、シード権獲得に自信を見せた。
第101回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)に予選会トップの成績で臨む立大が15日、埼玉・新座の同大新座キャンパスで取材会を実施した。今春に就任した高林祐介監督(37)は、シード権獲得の10位以内という目標について「最初は少し高めの目標だと思ったが、今は現実的な目標になってきたと感じる」と話した。
55年ぶりに本戦出場に導いた前監督が昨年10月に不祥事を理由に解任された。監督不在の中、箱根予選会を6位、本戦総合14位と結果を残したが、わだかまりはくすぶり続けていた。
今春、かつて駒大で4年連続で箱根を走り、区間賞を2度獲得した高林監督がトヨタ自動車から出向という形で就任。練習メニューを見直し、質と量のバランスを計りながら、「少し背伸びをすれば届く目標」を個々に設定させた。
その積み重ねが10月の全日本大学駅伝初出場でシード獲得(7位)と、箱根予選トップ通過につながった。主将の安藤圭佑(4年)は「目標に結果がついてきて、本戦に向けて自信になった。高林監督が新しいメニューを持ち込んでくれて、信頼感がどんどん上がっています」と話した。
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再び上昇気流に乗ったかのように見えるが、箱根がそんなに甘くないことは、高林監督自身が良く知っている。
「練習通りの力を発揮する精度をどこまで高めることができるか。全日本(大学駅伝)が8割としたら、箱根は他チームも9割、10割、へたすると120%の力を出してくる。エントリーされた16人全員が、シード権獲得に向けてやるべきをやり、タスキをつないでいく事が大事」
目標のシード権(総合10位以内)を獲得するには、往路がカギ。予選会でチームトップの1時間3分56秒、日本人3位(全体15位)の好成績を挙げ、2区出走濃厚な馬場賢人(3年)は「食らいついていく。10位のラインはキープして次に渡したい」と話した。
箱根初采配となる高林監督は、レース中の選手への声かけについて「特にこれという言葉は考えていない。普段のコミュニケーションの延長として、しっかり背中を押してあげたい」と話した。取材会の最中、会場となった教室のエアコンの温度設定をそっと変え、選手の体調を気遣う。箱根での10位以内は、1962年の6位が最後。細やかな気配りの新監督のもと、立大が新たな歴史づくりに挑戦する。【沢田啓太郎】
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