有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)は過去10年で1番人気が5勝、2番人気が2勝と、どちらかといえば平穏な傾向にある。一方で圧倒的1番人気馬が馬群に沈んだことも少なくない。ここではとりわけ印象的だった3レースを振り返る。
まずは01年のテイエムオペラオーだ。前年にはGI・5勝を含む8戦8勝の成績を収めた当時の最強馬。この年の秋は天皇賞(秋)、ジャパンCと連続2着。それでも多くのファンは有終の美を飾ることを信じ、単勝1.8倍の圧倒的1番人気に支持された。しかし、直線で伸び負けて、マンハッタンカフェから0秒2差の5着に敗退。GIでは初めて馬券圏外に沈むこととなった。
続いては07年のメイショウサムソンだ。テイエムオペラオーと同じオペラハウス産駒。この年は天皇賞の春秋制覇を果たし、宝塚記念が2着、ジャパンカップが3着。実に安定した走りを続けていた。当然のようにグランプリでも単勝2.4倍の1番人気に推されたが、後方ままの1秒6差8着。生涯一ともいえる大敗を喫することとなる。
そして記憶に新しいのは19年のアーモンドアイだ。当時のGI・6勝馬。天皇賞(秋)を制し、その後は香港Cに参戦予定だったが、香港遠征を取り止め有馬記念に出走することとなった。レースでは単勝1.5倍の1番人気となったが、中団から伸びを欠いてリスグラシューから1秒8差の9着に大敗。結果的に自身のキャリアで唯一となる馬券圏外に終わった。
中山芝2500mは天皇賞(秋)の東京芝2000m、ジャパンCの東京芝2400mと比較して、小回りで紛れも少なくない。平穏か、大荒れか。今年はどんなレースとなるだろうか。