子どもの習い事に関しては、考えかたや価値観によって「良し」「悪し」が大きく変わるものですよね。また小さい頃から習い事をやらせることについても、捉えかたはさまざま。しかし誰かの考えを聞いてみたい、参考にしたいと思うこともあるでしょう。今回寄せられた子どもの習い事に関する疑問、それは英語教室に関するものでした。
『子どもを英語教室に通わせることって意味があるのかな。週1回や2回でどこまで習得できるのか疑問。親も英語ができないと家庭での学習もできないよね。話せるようになるわけではないなら、お金のムダに感じる。習わせている人の意見が聞きたい』
幼少期からの英語教育については、子育て関係のサイトやママたちの交流掲示板などを見ていると、賛否両論な印象があります。しかし、本当にすべてがムダなのでしょうか。逆に、幼少期から習わせることにどのような意味があるのでしょう。
英語教室はあくまでも“習い事”の1つ
『習い事は経験値の1つ。期待しすぎないようにすることが大事かな』
英語となるとなぜか少し身構えてしまうのは、かつて日本の英語教育で英語が身につかなかったことが背景があるからでしょうか。しかしその身構えてしまうことが、過度な期待を生んでしまうのかもしれません。また親である自分ができないことを習わせることによって、過度な期待をしてしまうケースもあるのではないでしょうか。英語を話せると将来役立つシーンがあるので、どうしても期待したくなる気持ちもわからなくはありません。しかし幼少期に限らず、英語教育であってもあくまで“習い事”の1つであると捉えて、合う子もいれば合わない子もいるなど、結果につなげることを重要視しすぎないことも大切かもしれません。
意味はないかもしれない?
『両親も英語が話せない幼児の週1英会話教室なら、私はお金のムダだと思う』
『子どもが喜ぶから通わせているんでしょ。遊んでいるようなもんだし楽しいからね。そんなことにお金が出せて余裕があるんだなと思っている。私も週1で習っていたけど、いまじゃキレイさっぱり忘れた』
少数ではありましたが、投稿者さんに共感する声も寄せられていました。ママたちの話を見ていると、英語教育の合う・合わないは個人差が大きく、それが結果にも出やすい傾向にありそうです。どのような習い事でも同じように、わが子に英語教育が適していないのに、親が習わせたい・英語を習得させたいと無理強いしてしまい、最終的には英語に嫌悪感を抱くようになったという話まで寄せられました。つまり、子どもによってはまったく意味がない教育になってしまうケースもあるのだと、親は知っておかなければならないのかもしれません。
幼少期からの英語に触れる意味とは?
ママたちからは、幼少期からの英語教育に関するさまざまな賛成意見や体験談が寄せられました。なぜ、幼少期から英語教育を受けさせるのかについて見てみましょう。
リスニング能力の向上
『うちの子は幼稚園から小学校まで習わせていたけど、たしかに文法とかはわかっていない。でも耳には効果があったみたいで、英検でもリスニングは満点をとってくるよ』
『うちの子は習わせていなかったせいか、筆記は点数が取れるけれどリスニングが苦手。だから習うことに意味があると感じた』
成果があったと話すママたちの声のなかで多かったのは、リスニング能力の向上でした。たしかに小さい頃から外国語に触れ、音として聞いていると自然と耳がよくなるという話はよく聞きます。会話ができるようになることはハードルが高いかもしれませんが、小さい頃から日本語以外を耳にしておくことで、英語の4大技能の1つ「聞く(リスニング)」が養われていくのかもしれません。それがたとえ週1〜2回であったとしても、塵も積もれば山となるということわざのように、静かに子どもたちのなかで能力が蓄積されていくのではないでしょうか。
外国の文化に触れる・体験する
『小さい頃、英語教室に通わされていた。そのときにハロウィンとかサンクスギビングとか、アメリカのイベントも学んでそれなりに楽しかったよ』
幼少期の英語教育は、机に向かって文法などを叩き込むのではなく、楽しい学びを目的としている教室が目立ちますよね。そのなかで重要な学びが、自分たちが暮らしている国以外の文化を知ることではないでしょうか。体験できることは、ハロウィンやクリスマスなど、日本でも浸透し楽しむことが当たり前になっている文化だけではありません。ママの声にも登場したサンクスギビングデーやイースターなど、日本人には馴染みのないイベントに触れられる貴重な経験も得られます。子どもだけに限らず、習い事は習得することだけでなく、経験することも大事。そう考えると、幼少期の英語教室における英語教育は意味や意義のあるものなのかもしれませんね。
小学校からの英語授業に備える
『私も英会話はわざわざ習わなくてもいいと思っていた。でも上の子が小学校の英語の授業で「みんなわかって笑っているのに自分は何を言っているのかすらわからない」と泣きついてきて、あやうく不登校になりかけた。だから慌てて英語教室に通わせたよ』
小学校での英語の授業が必須となったことから、ママから寄せられたようなことが起こってしまう可能性も出てきました。今後も幼少期から英語教育を受けさせている家庭がどんどん増えると、このようなことが起こるのかもしれませんね。必ず起こるとは限りませんが、少しでも耳や身体に英語が馴染んでいれば、とっかかりもできて、英語の授業をスムーズに受け入れられるのかもしれません。このようなことから、小学校への備えとして習わせているご家庭もあると考えてもよさそうです。
英語だろうと、結果を求めすぎず気長に
『習うことで、英語を好きになるきっかけになるかもしれない』
『子ども本人がやりたいって言うから続けているだけ。習い事ってそういうものじゃないかな』
習い事をさせるとき、何に重きを置くのか。そのことを判断するのは保護者の役目ですよね。だからこそ、誰かから「意味がある」と聞いたから習わせるのではなく、子どもがやってみたいと思うのか、子どもの特性や性格にあっているのかなどが、やる・やらないの判断基準になりそうです。
そしてママたちの声にあったように、あくまでも習い事ですから、結果を早急に求めず気長に学ばせることも、語学学習には重要な要素かもしれません。今すぐに結果が出ないと、お金のムダと考えてしまうかもしれませんが、ある日突然、驚くほどの成果を見せてくれるのも子どもたち。子どもたちが楽しんで学べそうならやる、そうでなければやらないでもいい、それでいいはずです。
カンタンなのになぜか伝わる こあら式英語のフレーズ図鑑 [ こあらの学校 ]
文・櫻宮ヨウ 編集・荻野実紀子 イラスト・くずり
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