日立製作所は16日、徳永俊昭執行役副社長(57)が社長に昇格する人事を発表した。2025年4月1日付。小島啓二社長(68)は副会長に就き、東原敏昭会長(69)は留任する。IT部門を率いる徳永氏の下で、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業を加速させるとともに、鉄道などのインフラ関連事業を軸に一段の成長を目指す。
徳永氏は最高経営責任者(CEO)を兼ね、6月の株主総会を経て取締役に就任する。徳永氏は東京都内で記者会見し、「デジタルをコアに『ワン日立』として成長を加速させたい」と意気込みを語った。
徳永氏は情報システム畑を歩み、家電子会社の社長を務めたほか、約1兆円を投じた米IT企業の大型買収を主導。日立が注力するDX支援事業「ルマーダ」の海外展開を率いている。小島氏は徳永氏を「デジタルの申し子」と評価し、事業変革の手腕に期待感を示した。
徳永 俊昭氏(とくなが・としあき)東大工卒。90年日立製作所入社、日立アプライアンス(現日立グローバルライフソリューションズ)社長、日立製作所執行役常務などを経て21年4月執行役副社長。茨城県出身。