アドマイヤズームが朝日杯FS制覇 モーリス産駒初の2歳GI勝ちは母方の“名配合”が後押し

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2024年12月16日 20:00  netkeiba

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朝日杯FSを制したアドマイヤズーム(c)netkeiba
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返る朝日杯FS

【Pick Up】アドマイヤズーム:1着

 母ダイワズームはスイートピーSを勝ってオークスに臨み、ジェンティルドンナの6着と健闘しました。他に中山牝馬Sで5着と健闘しています。繁殖牝馬としても優秀で、これまでに競走年齢に達した4頭中3頭が勝ち上がり、アドマイヤズームの他にヴィアメント、ダノンブレット(いずれも父キングカメハメハ)を出しています。この2頭はオープンクラスまで出世しました。

 母ダイワズームは、母方にシアトルスルーを抱えたハーツクライ産駒。これはスワーヴリチャード、ドウデュース、アドマイヤラクティ、カレンミロティック、ダノンベルーガといった大物を出している有名なニックス。優れた繁殖牝馬となった理由のひとつはこの配合にあるのではないかと思います。

「モーリス×ハーツクライ」の組み合わせは、JRAで出走した15頭中9頭が勝ち上がり、連対率21.8%、1走あたりの賞金269万円と優秀。他に桜花賞3着馬ペリファーニア、橘Sを勝ったガロンヌ、3勝クラスのマジカルステージなどが出ています。注目すべき配合パターンでしょう。

 モーリス産駒は2歳GI初制覇。今年の2歳総合ランキングではエピファネイアを抜いて第2位に上昇しました(1位はキズナ)。この世代はサウジアラビアRCを勝ったアルテヴェローチェ、同2着タイセイカレント、ひいらぎ賞をレコード勝ちしたデンクマールなど素質を感じさせる馬がひしめいています。もしこのまま2位でシーズンを終えればパーソナルベストとなります。

◆血統で振り返るターコイズS

【Pick Up】アルジーヌ:1着

 母キャトルフィーユはクイーンSの勝ち馬。その姉妹にレディアルバローザ(中山牝馬S2回)、エンジェルフェイス(フラワーC)がおり、2代母ワンフォーオールはカナダ最優秀古馬牝馬のタイトルを3回受賞した名牝。ケイアイファームが誇る名牝系です。

 母は繁殖牝馬として優秀で、本馬の他にロードプレジール、メルトユアハート、サンクフィーユ(いずれも3勝クラス)を産んでいます。これらのうち、本馬、サンクフィーユ、メルトユアハートの3頭はロードカナロアを父に持ちます。ロードカナロアはケイアイファームの生産馬なので、この組み合わせが多くなるのは必然です。そして、しっかり成功しています。

「ロードカナロア×ディープインパクト」の組み合わせは、エリザベス女王杯を勝ったブレイディヴェーグや、レッドモンレーヴ、ファンタジストといった重賞勝ち馬を出しており、東京芝を最も得意としています。ただ、ワンフォーオールの一族は小回りコース、内回りコースに適性があり、本馬はそちらの傾向がより強く表れているように感じます。

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