『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』ジャパンプレミア 映画『ロード・オブ・ザ・リング』の知られざる200年前の伝説の戦いをアニメ映画化するシリーズ最新作『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』が、先週末から世界80以上の国と地域で公開され、日本では来週12月27日より公開を迎える。2024年12月16日、初披露となるジャパンプレミアが実施され、日本語吹替版キャストである市村正親、小芝風花、津田健次郎と監督の神山健治が登壇した。
一足先に世界各国で公開となった本作の日本語吹替版は、デンマーク、ドイツ、オランダ、イタリア、スウェーデン、アラブ首長国連邦、香港、シンガポール、台湾の9つの国と地域でも上映が決定した。神山監督は「英語版での制作でしたが、頭の中ではずっと日本語版で演出していました。日本語版をみたいと言ってくれる海外の方が多くて、すごく誇りに思います」と嬉しそうに話す。
それを聞いて、市村が「今日初めて聞いたのでびっくりしました!」と述べると、小芝は「アフレコの時に日本語版が基準になるとプレッシャーをかけられていたので、そういうことかと!」と当時を振り返り、津田は「ありがたいし、嬉しいです」とそれぞれ心境を語った。
改めて完成した本編を観た感想を尋ねられると、市村は「僕は1人でアフレコだったので、みんなが結集したのを聞いて興奮しました!全編、ほぼ戦いなので最初から最後までハラハラしっぱなしでした。子どもにも観せたいと思います!」と、カッコいいヘルム王の役どころに自信をみせる。小芝は「映像が美しくて、実写に見えるほど。映像に入り込んだかのような映像美で、戦いがより迫力満点でワクワクしました」と興奮気味に語ると、“背景実写説”について「海外でも何度も言われたんですが、今回はすべて手描きです!」と改めて神山監督から宣言があった。
そして、津田は「劇場で見るべき映画。映像も音も、本当に“大作”です。物語は人間のドラマですが、途中からやっぱりこれは『ロード・オブ・ザ・リング』なんだと感じる。このタイミングでこのシリーズに関われると思ってなかったので、光栄です」と感慨深く話した。
話題はアフレコ時のエピソードになり、市村は「僕は1人でアフレコだったので、孤独で頑張りました(笑)。ヘラ役の小芝ちゃんは私の娘だと思って演じましたし、ウルフにはいじめるなよって思いながら演じました」と意外なエピソードを明かす。「公演の合間をぬってアフレコしたんですが、かなり声を出さないといけなかった。合間にあった取材の時も声を大事にしながら、2日間で無事収録できました。出来上がったら最高でした!」と苦労も語りながらも、完成した作品を絶賛した。
また、今作で初の親子役として市村と共演した小芝は、「お父さんが子を想う気持ちがぐっとくる。泣いちゃいそうになるくらい素敵で。(アフレコする時に)市村さんの声が入っていてよかったです」と感謝する。アニメーションのアフレコは初めてだったという小芝は、「プレッシャーがすごかった。監督が優しく迎え入れてくださったので、当日はリラックスして挑めた」とも明かすと、市村が「ヘラはしっかりしていて、美しいキャラクター。小芝ちゃんは少女のイメージがあったけれど、出来上がった作品を観たら、しっかり立派な女性でした!」と小芝を褒めたたえた。
「複雑なキャラクターで、心情も込み入っていて演じ甲斐があった」と語るのはウルフ役の津田だ。幼なじみにして敵対するヘラとウルフについて、「なんでこうなるのー!ってなります(笑)」と小芝。津田も小芝に同意しつつ、「(アフレコ時)お二人の声が入ってたので、一番幸せな状態でアフレコに挑ませていただいた」と感謝する。そして、ウルフを演じるにあたって「全力投球した。全員アクションがあるので、みんな声をはっていたと思います。丁寧にアフレコさせていただいた」と全力で挑んだことを明かした。
そんなキャストたちのトークを受けて、神山監督は「皆さん、第一声からキャラクターを掴まれている印象だった。皆さんに演じていただいてよかった。実はガラスの向こう側で何回か泣いてました」と静かに涙したことを告白すると、他の面々からは驚きの声があがった。
また本作は、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の200年前を舞台にした、あの指輪の物語につながる“始まりの物語”ということで、登壇者が“これが私の原点”という写真&エピソードを披露する時間もあった。
トップバッターの津田からは衝撃の丸刈り少年の写真が公開され、「かわいい!!」と歓声があがる。津田は「野球も何もなく趣味で坊主でした(笑)。校則でもなく、土曜に学校が終わったらモヒカンにしたり、遊んでました」と謎の動機を話し、これには登壇者たちも動揺する。津田は「今思うとなんでそんなことしたのか…何かに反発もしていたわけでもなく、趣味で…(笑)“つるっぺ”って言われてました」と、可愛いあだ名と共に驚愕エピソードを告白した。
続いて小芝は、オーディション時の写真をみせ「芸能界に入るきっかけになったオーディションの写真です。受かってからはレッスンはじめたり、私生活が180度変わって、今ここに立ってる原点。当時14歳で披露できる特技がなく、スニーカーでフィギュアスケートのようなことをして…根性座ってたなって思います(笑)」と語る。すると「さっきの写真、13歳ですよ!1歳しか変わらないのになんだこの差は!(笑)」と嘆く津田に、会場からは笑いが起こった。
市村は眼鏡をかけた好青年姿を収めた1枚を披露し、「これは24歳の劇団四季のオークションの写真。ここから僕の俳優人生がスタートした。ただ役者になりたかった。夢の原点です」と述べるなど、それぞれ衝撃的なエピソードから和やかなエピソードまで幅広く語られた。
ここで本作の世界での公開を祝して、また、世界へ挑む本作にエールを送るため、グランドスラム12大会、世界選手権4大会を制覇した東京&パリオリンピックの金メダリストである、柔道家の阿部一二三選手がゲストとして登場した。小芝へ花束を渡した阿部が「世界公開、本当におめでとうございます!」とコメントすると、市村からは「僕は中学校柔道部だったんだけど、投げられる専門だった(笑)」と意外な共通点が明かされた。
また、阿部もキャストと同様に“原点の写真”を披露し、兄妹の可愛らしい写真が公開された。阿部は「小学校2年生くらい。妹の詩がまだ柔道してない時だと思います。僕はずっと泣いていて、上のお兄ちゃんが一緒に柔道やってくれたので続けられた。女の子に投げられる側でずっと泣いてました」と今の姿からは想像もつかない、阿部兄妹の“原点”を話す。
また、本編を一足先に観た阿部は「始まりから映像が美しくて目が離せなかったです。僕も3人兄妹なので彼らの関係性をみて、やっぱり兄妹って良いなと思いました。妹の詩がヘラと同じ一番下の妹なので、ヘラが頑張っている姿を見て感動しました」と共感したそう。アクションシーンについては「終始ドキドキハラハラしました。自分が戦っているんじゃないかって感覚になりました」と絶賛した。実は兄妹そろって『ロード・オブ・ザ・リング』好きだそうで、「詩も今日来たがっていました」と明かすと、劇場公開したら一緒に観に行きたいと語った。
最後には、神山監督が「スタッフ一同、皆さんに楽しんでいただけるよう奮闘した3年間でした。楽しんでいただける作品ができたと思います。今日は最初に観ていただくと思うので、楽しんでいただけたら嬉しいです」とあいさつし、イベントを締めくくった。
【『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』ジャパンプレミア詳細】
◆日時:12月16日(月)
◆場所:丸の内ピカデリー1(千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン9F)
◆登壇者:市村正親、小芝風花、津田健次郎、神山健治(監督)、阿部一二三(特別ゲスト)
映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』
12月27日(金)全国劇場公開!
吹替/字幕版同時公開※一部劇場除く
<Dolby Cinema/Dolby Atmos/4DX/MX4D/IMAX>
監督:神山健治(『東のエデン』『攻殻機動隊S.A.C』「精霊の守り人」) 脚本:ジェフリー・アディス&ウィル・マシューズ、フィービー・ギッティンズ&アーティ・パパゲオルジョウ / ストーリー:アディス&マシューズ、フィリッパ・ボウエン
製作:フィリッパ・ボウエン、ジェイソン・デマルコ、ジョセフ・チョウ / 製作総指揮:フラン・ウォルシュ、ピーター・ジャクソン、サム・レジスター、キャロリン・ブラックウッド、トビー・エメリッヒ
日本語吹替版キャスト:市村正親(ヘルム王)、小芝風花(王女ヘラ)、津田健次郎(ウルフ)、中村悠一(フレアラフ)、本田貴子(オルウィン)、坂本真綾(エオウィン)、斧アツシ(フレカ)、森川智之(ハレス)、入野自由(ハマ)、山寺宏一(ターグ将軍)、沢田敏子(老ペニクルック)、田谷隼(リーフ)、大塚芳忠(ソーン卿)、飯泉征貴(シャンク)、村治学(ロット)、勝部演之(サルマン)
字幕版キャスト:ブライアン・コックス(ヘルム王)、ガイア・ワイズ(王女ヘラ)、ルーク・パスクァリーノ(ウルフ)、ミランダ・オットー(オルウィン)ほか
原題:THE LORD OF THE RINGS:THE WAR OF THE ROHIRRIM
配給:ワーナー・ブラザース映画
LOTR TM MEE lic NLC. (C)2024 WBEI / ワーナー・ブラザース・アニメーション and SOLA ENTERTAINMENT制作作品