松田凌、ミュージカル『チェリまほ』で決意「絶対に守りたいことは原作」　自身のおばが“ファン”、納得させる宣言

　俳優の松田凌、荒牧慶彦が17日、都内で行われたミュージカル『「チェリまほ The Musical」〜30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい〜』の制作発表会見に登壇した。

【写真】劇中同様に安達役の松田凌を見つめる黒沢役の荒牧慶彦

　原作は、『ガンガンpixiv』（スクウェア・エニックス刊）で連載中の人気漫画。略称は“チェリまほ”。童貞のまま30歳を迎えた主人公・安達が「触れた人の心が読める魔法」を手に入れ、勤務先のイケメン同期・黒沢が自分に想いを寄せていることを偶然知ってしまうことから巻き起こる、純度100％のラブコメディ。ピュアなストーリー展開と登場人物たちの愛らしいキャラクター像が話題となって共感を呼び、女性を中心に幅広い層で人気を集めている。コミックス累計部数は300万部を突破。2020年に実写ドラマが放送され、22年4月には実写映画化、さらに24年1月からはテレビアニメが放送され大きな話題を呼んだ。ミュージカルでは、松田が安達清役、荒牧が黒沢優一役、佐伯大地が柘植将人役、中山咲月が綿矢湊役、脚本・演出を川尻恵太が務める。

　共演歴も長く、勝手知ったる松田と荒牧。本作の参加について荒牧は「大人気の作品である『チェリまほ』。この作品にまず出演できることが本当に光栄に思っております。ただ、僕自身があまり触れたことがないジャンルの作品だったので、どう演じればいいのかな、と自分の中の役者として向き合わなきゃなっていうところもありますが、松田凌と共演できるということで、すごくすごく楽しみにしております。彼のいいところは、すでに把握済み。そこを褒めて褒めて伸ばそうと思います」とにやり。松田も「1つ楽しみが増えました」とテレつつ「荒牧くんに、また僕のいいと思ってもらえるような面を育ててもらえるなんて光栄」としていた。

　松田は本作に参加する上での覚悟も。「僕はこのお話をいただいて、この『チェリまほ』は、ドラマや映画、そしてアニメ、さまざまな形でいろんな方に支持されている作品だと僕も存じていましたし、何より原作の素晴らしさも触れてとても体感しました。そういった作品に自分も参加することになるんだっていうことを光栄に思いつつ、僕が本当に出演させていただくきっかけにもなったんですけれども、今作はエイベックスさんと、ネルケプランニングさんと、プロデューサーの皆様と、たくさん話させていただきまして、とても情熱あるお話をさせていただきました。僕はその中で『これは必ず面白いものになるな』と確信を得ましたし、それに見合った俳優としての仕事をしていかなければいけないなと思ったんです。それで僕はやろう、この世界に生きさせていただこうと思いました」とオファー、そして受託を振り返る。

　加えて「もう1つ絶対に守りたいことは原作です」ときっぱり。「この作品を愛してる皆様であったり、初めて触れる皆様にとって、このままの良さは絶対に消したくない、先生の描いた世界や思いは必ずなくしたくない、しっかりとそれを踏まえた上で我々が演じさせていただきたいなっていう思いがあります」と熱いメッセージ。「自分たちがただ演じるっていう作品にはしたくないので、必ず今ここに登壇してる皆様や、今作発表されたキャストの皆様、そして川尻さんを筆頭に、劇場に来ていただいた皆様にとって『良き作品だった』と言ってもらえる作品に、必ず自分たちがしっかりと意味を持ってやりたい。それだけは今、制作発表として立たせていただくなら皆様にお伝えしたいことだなと思います」と呼びかけた。

　松田は、実写化された『チェリまほ』を見たという。「一言で言うなら好きでした」と明かす。「こういった世界が、いろんな人にあふれていれば、もっと温かい世界になるんじゃないかなって思うくらい、すごく心が救われるような思いだった」としみじみ。そして「実は僕のおばが原作が好きでして。『（松田に安達役が）ぴったりなのに』と、おっしゃってくれていて。まさか本当に自分が安達を演じることになると思ってなかったので、この作品を応援している1人であるおばをまずは納得させたい」と笑わせつつ「役を生きる上で少なからず人間性、関係性みたいなものも必ずお芝居にいい作用を持ってくれると思う。その相手が荒牧慶彦くんなのは、たぶん僕たちにとって大きな意味が生まれるはずなので、彼と共に、川尻さんも演出のもと『チェリまほ』という作品の可能性であったりとか、愛してもらえる部分が増えるようにできたらな」と意気込んだ。

　会見には、佐伯、中山、川尻氏も参加した。

　東京公演は、2025年4月11日から20日までTOKYO DOME CITY HALLで、愛知公演は、2025年4月25日27日までアイプラザ豊橋で上演される。