東武鉄道は17日、沖電気と丸紅ネットワークが共同開発した「踏切滞留AI検知システム」を導入し、2025年1月16日から4カ所の踏切で本格運用を開始すると発表した。リアルタイムに踏切内を監視できるようになり、踏切事故削減に効果があるとしている。
今回導入する「踏切滞留AI検知システム」は、骨格検知技術やAIエッジ技術など活用し、踏切に設置したカメラの映像をその場で高精度かつリアルタイムにAI画像処理することで、踏切が下りてもその場にとどまっている人を検知するシステム。人を検知すると、ただちに特殊信号発光機を作動させ、接近する列車の運転士に異常を知らせる。特殊なカメラではなく汎用カメラなどを使用できるため、設置が容易な上に比較的安価に導入できるメリットがあるという。
東武鉄道によれば、おもに人や自転車が利用する踏切には踏切障害物検知装置を設置しておらず、その場に居合わせた人が非常ボタンを押す以外、列車の運転士に異常を知らせる方法がなかったという。沖電気と丸紅ネットワークが約1年かけて東武鉄道の踏切で実施した導入試験で十分な結果が得られたことから、本格運用開始に至った。
踏切滞留AI検知システムの導入場所は、大袋〜せんげん台間の「伊勢崎線第96号踏切道」、武里〜一ノ割間の「伊勢崎線第112号踏切道」、ときわ台〜上板橋間の「東上線第24号踏切道」、鶴瀬〜ふじみ野間の「東上線第113号踏切道」とされている。(佐々木康弘)