前回からの続き。私は幼稚園に通う息子、テッタのママです。ひとり息子のテッタは何よりも大事な存在。妊娠した頃から先輩ママたちには、「男の子はまるで小さな恋人みたいだよ」なんて言われていました。そのときは半信半疑でしたが、成長するとまさしくそのとおり。優しくて賢いテッタのことが愛おしくて仕方がありません。「大きくなったらママと結婚する」なんて言われるとキュンキュンしてしまいます。しかし年中クラスでスミレ組になったテッタは……。
アヤコ先生は若いなりに頑張って仕事をこなしている様子でした。しかしある日のこと、幼稚園からの帰り道にテッタがとんでもないことを言い出したのです。私は驚きのあまり大きな声を出し、自転車のブレーキをかけて停止しました。
もちろんアヤコ先生だって本気ではないことくらいわかりきっています。しかし怒りのスイッチが入ってしまった私は止められませんでした。不慣れな新人のアラさがしをするのなんて簡単。正直、クレームの内容は何でもよかったのです。
テッタが突然「アヤコ先生と結婚の約束をした」と言い出し、自分でもびっくりするほどのショックを受けました。もちろん私がテッタと結婚できないことも、先生が本心で言っているわけでないこともわかっています。しかし私はアヤコ先生にテッタを奪われたような気分になったのです。
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【第4話】へ続く。
原案・編集部 脚本・motte 作画・うーにゃ 編集・井伊テレ子