レギア・ワルシャワに完全移籍加入することが発表されたDF森下龍矢について、同クラブのヤツェク・ジェリンスキSD(スポーツ・ディレクター)が語った。17日、クラブ公式サイトが伝えている。
1997年4月11日生まれの森下は現在27歳。プロキャリアを始めたサガン鳥栖を経て、2021年に加入した名古屋グランパスでは、ルヴァンカップ優勝や日本代表デビューなどを経験した。国内屈指のウィングバック、サイドバックとなった後、今年1月に、夢見た欧州挑戦の第一歩としてレギア・ワルシャワへとレンタル移籍。最初の半年からコンスタントに出場機会を掴むと、今シーズンはゴンサロ・フェイオ監督の下でインサンドハーフやウィングとして主力を張り、すでに公式戦7得点8アシストとキャリアハイ。今冬の買取オプション行使は、必然とも言えるものだった。
そんな中で17日、両クラブを通じて完全移籍に切り替わることが発表された他、レギア・ワルシャワは森下と2028年夏までの新契約を締結したことも明らかにしている。クラブのヤツェク・ジェリンスキSDは、同選手について「さまざまなレベルで着実に成長を遂げている。彼は多彩で、複数ポジションでのプレーも可能。よりアグレッシブかつ、フィジカルな欧州のスタイルを取り入れようとする勤勉さ、性格、決意は目を見張るものであり、クラブとスタッフからも適切なサポートを受けているよ」とし、「リョウヤは、このチームにとって大きな価値を持つ選手で、それはここまでに残している素晴らしい数字と、ゲームに対する影響力によって証明されている」と活躍を振り返った。
また、今回の完全移籍に対して、「すべてが思い通りに運んだ」と見解を示したのは、ポーランドメディア『Weszlo』だ。同メディアは「レギアのスポーツ・ディレクターは、移籍における恥ずかしくなるほどの失敗と災難を繰り返した後、彼から奪うことのできない成功をひとつ加えた」とした上で、3つの観点から称賛されるべきだと指摘した。
1つ目は、レンタル移籍の期間が1年だったこと。これにより両者がお互いを知ることができた他、プロキャリア初の海外挑戦となった森下にとっては、文化的に異なるポーランドに適応するための時間としても、適切だったという。加えて、買取価格が比較的に安かったことを2つ目の理由とした。
また3つ目には、「単純に素晴らしい選手であるからだ」と賛辞。本職とするサイドバックやウィングバックとしては誤算があったのかもしれないと推しはかりつつ、「モリシタはセントラルミッドフィルダーになったことで、監督のジグソーパズルに完璧にはまった」と強調。続けて「リーグ最高のミッドフィルダーとは言えないが、フェイオ(監督)のスタイルこそ、彼の長所を最も際立たせることができる」と現指揮官が志向するスタイルに適応していると分析している。
そして同メディアは、“4つ目”の可能性にも期待する。森下は、レギュラーに定着した半年間で自身の価値をより押し上げており、注目を集めつつある存在とのこと。特に、2試合連続ゴール中のヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)は、欧州の移籍市場における“見本市”のひとつで、好調なパフォーマンスを維持し続ければ、同選手のステップアップに伴い、より多くの移籍金を手に入れることができるだろう、と胸を躍らせている。