日本生命保険は18日、来年4月1日付で清水博社長(63)が代表権のある会長に就き、後任に朝日智司副社長(61)が昇格する人事を発表した。経団連会長に就任予定の筒井義信会長(70)は取締役に退き、7月に開催される定時総代会を経て特別顧問となる。同社の社長交代は7年ぶり。
東京都内で記者会見した朝日氏は「グループのさらなる成長と業界全体の発展に心血を注ぎたい」と抱負を述べた。人口減少で国内生保市場の縮小が懸念される中、事業基盤などを一段と強化する考えを示した。
朝日氏は国内保険事業の統括責任者として、保険代理店などの販売力強化に取り組んできた経験を持つ。清水氏は朝日氏について「自分で考えて動く人間で、強いリーダーシップを持っている」と評価した。
清水氏は社長在任中、介護事業などを手掛けるニチイホールディングスや米系生保レゾリューションライフの買収など、業容拡大を進めた。清水氏は会見で、日本生命は「新しいステージに入った」と指摘。「新しい経営陣の方が中長期により良い発展をする」とトップ交代の狙いを説明した。
朝日 智司氏(あさひ・さとし)京大経卒。87年日本生命保険入社、17年取締役、常務、専務を経て23年3月副社長。大阪府出身。
社長昇格が決まり、記者会見する日本生命保険の朝日智司副社長=18日午後、東京都千代田区