史上最長タイの14年連続JRA・GI制覇なるか。ディープインパクト産駒の大記録継続は、有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)に出走する3頭に命運が託されている。
ディープインパクト産駒はこれまでJRA・GIを72勝、そして11年から23年まで13年連続で制している。しかし、今年は延べ14頭が走り、ヴィクトリアマイルのフィアスプライドの2着が最高着順。4着が2回、5着が1回あるが、勝利には手が届いていない。
ラストチャンスとなる有馬記念には3頭がエントリーしている。ジャスティンパレス(牡5、栗東・杉山晴紀厩舎)は昨年の天皇賞(春)で記録を13年に延ばした功労者。その後は勝利こそないが、GIのみを7戦して3着、2着、4着、4着、10着、4着、5着。道悪だった3走前の宝塚記念を除けば、一度も掲示板を外していない。今秋の2戦も内容は上々。前々走の天皇賞(秋)は直線でスムーズさを欠きながら0秒3差の4着。前走のジャパンCにしても不向きな超スローペースの中、渋太く脚を使って0秒5差の5着だから、よく走っている。
プログノーシス(牡6、栗東・中内田充正厩舎)はGIタイトルにこそ手が届いていないものの、23年・24年の金鯱賞、23年札幌記念とGIIを3勝。また、23年・24年の香G1・クイーンエリザベスII世カップや今年の豪G1・コックスプレートで2着と、あと一歩のところまで来ている。デビューから16戦して全て5着以内の堅実派。鞍上の三浦皇成騎手と共に待望のビッグタイトルなるか。
そして、シャフリヤール(牡6、栗東・藤原英昭厩舎)は21年のダービー馬。22年の首G1・ドバイシーマクラシックを制して以降、白星に手が届いていないが、レース後に喉の疾患が見つかった昨年の札幌記念を除き、安定した成績を残している。昨年の有馬記念は香港ヴァーズを健康上の理由で断念、帰国し、急きょの出走ながら5着。順調さは今年のほうが上だ。
海外ではオーギュストロダン(Auguste Rodin)が英G1・プリンスオブウェールズSを制し、ディープインパクト産駒の「連続年GI勝利記録」は「14」に伸びている。ただし、JRAに限定すると、かつてない大ピンチ。父サンデーサイレンスとステイゴールドに並ぶ、14年連続JRA・GI制覇となるか。土俵際でディープインパクト産駒が劇的Vを決めることを期待したい。