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北九州市小倉南区のファストフード店で中学3年の男女2人が男性に刃物のようなもので刺され、女子生徒が殺害された事件を受け、武内和久・北九州市長は18日、臨時の記者会見を開き、市職員約1000人を募って19日から児童・生徒の登下校時のパトロールに当たると明らかにした。容疑者が逃走を続け、地域に不安が広がる中、自治会などとも連携して子どもの見守りを強化する。
パトロールするのは、本庁勤務の職員約2000人のうち業務に支障のない職員で、当面は終業式がある23日まで市内全域で実施するという。
市教委によると、18日は市立の幼稚園、小中高校などの児童・生徒計2103人が安全上の不安を理由に欠席し、16、17日にも延べ6000人以上が登校を見合わせた。
武内市長は会見で「尊い命が奪われ、強い憤りを覚える」と語気を強め、「子どもの日常を取り戻すため多くの市民に力を貸してもらいたい。子どもの安全第一にまち全体で取り組み、冬休み中も継続的に心のケアをできる体制を整えていく」と述べた。
市は児童・生徒らの心や体の不調に気付くためのチェックリストを作成。「誰とも遊びたがらない」「少しのことで泣く」など大きなショックによって表れる変化を列挙し、心配なことや聞いてほしいことがあれば相談窓口を利用するよう呼び掛けている。リストは各学校を通じて保護者らに配布するという。
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24時間対応可能な相談窓口は一覧の通り。無料通信アプリ「LINE(ライン)」やウェブでの「SNS悩み相談」から。【山下智恵】
警戒範囲を拡大
容疑者が逃走を続けている状況を踏まえ、県警は18日、パトロール人員を100人増強し、事件があった小倉南区と隣接する小倉北区にも警戒範囲を広げると発表した。県警は「第二の犯行を防ぐため、人が集まる場所を中心に警戒を強化する」としている。
県警本部から新たに60人の応援要員を追加し、小倉南署管内をパトカーなどで巡回する。また、機動隊や鉄道警察隊から約40人を派遣し、小倉北区のJR小倉駅や繁華街、モノレールの駅や車内を徒歩などで警戒する。
機動隊は18日夜、小倉駅前に赤色灯をつけた輸送車を止め、隊員らが駅周辺の繁華街を歩いたり、改札前に立ったりして、不審者がいないか警戒の目を光らせた。物々しい雰囲気に、不安そうな表情を浮かべる通行人もいた。【佐藤緑平、成松秋穂】
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24時間対応可能な相談窓口
・24時間子ども相談ホットライン 093−881−4152
・北九州いのちの電話 093−653−4343
・24時間子どもSOSダイヤル 0120−0−78310
・子どもEメール相談 ho-soudanl@mail.city.kitakyushu.jp
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ショックによって現れる反応のリスト(例)
・普段はあまり言わないのに、腹痛や頭痛を訴える
・食欲がない
・寝付きが悪い。夜中に何度も目を覚ます
・1人で寝るのが怖いと言う。1人でいることを怖がる
・ぼんやりしていることがある
・誰とも遊びたがらない
・集中できない様子
・「胸がドキドキする」と訴える
・少しのことですすり泣く
・ちょっとした物音にもびくっとする、など緊張や張り詰めた様子がうかがえる
・怒りっぽくなっている
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