大技成功はなるか−。フィギュアスケート女子で世界ジュニア女王の島田麻央(16=木下グループ)がこのほど、本紙インタビューに応じ、開幕が迫る全日本選手権(20〜23日、大阪・東和薬品RACTABドーム)に意気込みを語った。自身3度目の大舞台。出場した2大会で挑んだトリプルアクセル(3回転半)と4回転トーループ投入は明言しなかったが、挑戦、成功を目指し調整を進める。
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大会を間近に控え、島田は快活に誓った。「見ている皆さんはヒヤヒヤすると思うけど、大技に挑戦するのが自分らしさ。全日本でも逃げずに挑戦したい」。2大会続けてフリーで4回転トーループ、3回転半の大技2本に挑戦し、昨年はさらにショートプログラム(SP)にも3回転半を投入。だがいまだノーミスは実現していない。実施は「まだわからない」と濁しながらも、初成功へ「やりたい」と意欲に満ちている。
フリーに大技2本を組み込む構成は、22−23年シーズン初戦から挑戦。同時成功させたのは昨季のジュニアグランプリ(GP)ファイナルのみだが、今季は7戦中3戦で3回転半を決め、4回転も回転不足ながら1度降りている。
ジュニアでは規定で3回転半を入れられないSPにも、シニアのルールで行われる全日本では投入可。昨年はシニア仕様の特別構成を有言実行しており、今回も挑戦したい意志はある。「全日本前で言うと、昨季より調子がいいとは言えなくて…」。ファイナルから2週間足らずで調整に苦戦している中でも「最後まで諦めずに調整したい」と気持ちに変わりはない。
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“飛び級”優勝なら、03年安藤美姫以来21年ぶりの偉業となる。9月のジュニアGPシリーズ第5戦ポーランド大会で刻んだ合計点224・68点はシニアを含めた今季世界2位の高得点。期待がかかるが「全く意識していない」とぶれず、守りに入る考えはない。
今年は、初出場の22年と同じ大阪開催。あれから世界ジュニア選手権やユース五輪などを経験し、いずれも頂点に立った。「試合は何が起こるかわからないので」。構成は当日判断となりそうだが、高難度ジャンプを武器に、ジュニアの大会で連勝街道を歩み続ける高校1年生は、挑戦を諦めない。【竹本穂乃加】
◆03年の安藤美姫 長野ビックハットで開催。ジュニアの安藤はSP2位。フリーで4回転サルコーを成功させて逆転で初優勝した。中京大中京高1年の16歳は、4連覇を狙った村主章枝を上回った。2位は村主、3位は荒川静香だった。
◆島田麻央(しまだ・まお)2008年(平20)10月30日生まれ、東京都出身。5歳で競技を始め、19年から全日本ノービス選手権3連覇。21年全日本ジュニア選手権では94年の荒川静香以来となるノービス(6月30日時点で満12歳以下)世代“飛び級”優勝。現在4連覇。ジュニアGPファイナルは22年から3連覇中、世界ジュニア選手権は23年から2連覇中。名前は母が好きな浅田真央さんにちなむ。拠点は京都・宇治市で愛知・中京大中京高の通信制課程1年。151センチ。
<島田麻央の過去の全日本VTR>
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◆22年大会 初出場にしてSPで全3本のジャンプを決めて70・28点の4位で発進した。中1日で迎えたフリーでも、冒頭に挑んだ4回転トーループ、3回転半の2本は転倒したが、残り5本のジャンプを決めて合計202・79点。初出場でいきなり3位に入った。
◆23年大会 SPでまさかの7位発進となった。大技の3回転半は成功したが、後半の3回転ルッツで転倒して出遅れた。フリーでは4回転トーループで転倒したが、その後はミスなくまとめ、フリー3位の136・95点。順位を4つ上げて2年連続3位となった。
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