「めったに行かない中華屋さん。カウンターに座ると、いつもの?と聞かれた。 私に似た常連さんがいて、いつも同じ物を食べるのだろう。 好奇心が抑えきれなくて、とりあえず首を縦に振ってみた。空腹だから「大盛で」と言ってみた」
X(旧Twitter)に投稿されたノムラさん(@nomu1010)のポストに注目が集まりました。
常連さんと間違われたのを楽しむというレアな機会に恵まれたノムラさん。まるで小説の出だしのような文章に引き込まれ、その後どうなったのか気になり、投稿の続きをたどる人が続出。
「餃子の大盛(10個。並盛は6個)が到着。そう来ましたか。程なくして小瓶も到着。 さて、この後どうしようか」
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この投稿に添えられた写真から垣間見えるお店の雰囲気は、町で愛され続けている食堂のようです。運ばれてきた料理に「常連じゃなくても頼みそう!」と突っ込みたくなったところで次の投稿は……
「餃子がなくなりかけた頃、鍋で肉と野菜を炒め、麺を茹で始めたおかあさん。ラーメンの上に野菜炒め、最後に焼豚をちょこんと乗せて完成。この店ではこれをチャンポン麺と呼ぶのだと会計時に知った。美味しかった。今度から私も注文しよう。会った事もない常連さん、教えてくれてありがとう」
なんと!初めていただくメニューにたどり着けたのでした。さらに投稿が続きます。
「チャンポン麺とは別に野菜そばというメニューもあって、どう違うのか聞いてみた。 『チャンポン麺…醤油スープ+野菜炒め、濃い味』『 野菜そば…塩スープ+茹で野菜、あっさり』同じ600円だけど似て非なるものとの事。野菜そばに玉子が入ると五目そばになるのかな」
他のメニューについて会話も楽しんだ模様。この一連の投稿にコメント欄も大盛り上がり!
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「小説を読んだ気分」
「こういう話が聞けるから、Xが好きなんです」
「何が出るかワクワクしました!」
「食べたいものでしたか?風貌が似てると味覚も近いのかなと思って」
「常連さんご本人と鉢合わせして欲しかった…」
「めっちゃいい話だった」
「いさぎよい、いいメニュー」
「ミステリーツアーならぬ、ミステリーオーダー!」
たくさんのリプライが飛び交い、13万ものいいねが付きました。
投稿主のノムラさんは、石川県に暮らし、銭湯、喫茶店、食堂など、観光客ではなくて街の日常に根付いたお店めぐりを趣味として、日々のことをXに投稿しています。そんな中のふとしたエピソードに多くの反響が集まったことについて伺いました。
会ったこともない「常連さん」が教えてくれた、おいしい名物
——このお店には、どれくらいぶりに行かれたのですか?ちなみにいつも注文されるメニューはありますか?
「私は金沢から車で1時間ほどかかる南加賀に住んでおりまして、金沢にあるこちらのお店には、年に数回のペースでうかがっております。チャーシューワンタン麺、オムライス、揚げ焼そば、鳥唐揚、餃子が特に好きです」
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——地元では知られたお店なのですか?
「創業半世紀以上になると聞きました。昭和中期から時が止まったような佇まいは趣きがあります。 女将さんと息子さんのお二人で切り盛りされています」
——リプライではメニューの安さやお店の清潔さなども話題になりましたね
「古い建物ですが、いつ行ってもピカピカでホコリ一つありません。脱帽です。地域の方が普段使いされるお店なので、あえて店名は出しませんでした。投稿を見た人が押し寄せて、お店の方や常連さんが戸惑うような事にならなければいいのですが」
——女将さんは結局、ノムラさんを常連の方と間違えたままだったんですよね…笑
「多分常連さんに間違われたままですね。次からは聞かれる前に自分から注文を伝えようと思います。」
——今回ものすごい反響があってビックリされたみたいですね
「2日間は延々と通知が止まりませんでした…。もちろん初めての経験です。こんな何気ないポストがなぜここまで拡散されたのか、不思議で仕方ありません。私はチェーン店より昔ながらの個人経営のお店が好きです。メニューも価格も雰囲気も味もお店によって違います。お店の方とのやりとり、今回の様に予想外の事が起こる楽しみなど、個人店ならではの楽しみ方を少しでも伝えられたならうれしいです」
何気ない日常にあったドラマチックな展開を、SNSを行き交う多くの人が楽しんだ今回のノムラさんの投稿。普段はノスタルジックな写真や、地域に寄り添った活動、大好きな町のお風呂屋さんと喫茶店、食堂など、ほっこり心が温かくなるポストをされています。
地元に根付く銭湯をめぐることを楽しみにしているノムラさんは、店主がご高齢で一旦閉店した「寺井湯」(石川県能美市)を地域と一緒になって応援、お風呂掃除のお手伝いなどもしているそう。「泣けるほどいいお風呂なので、一度来てほしいです」
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・馬場 かやの)