“当たり障りのないお母さん”から別人に大変身。「おしゃれが楽しくない」を脱出した40代女性に“秘訣”を聞いてみた

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2024年12月19日 09:00  女子SPA!

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ファッションマインドコンサルのmarieさん
40代の女性がSNSに投稿した、自身のビフォーアフターの写真がびっくり! と話題になりました。

街でよく見かける、ごくごく普通のファッションに身を包んでいる女性が、4年間で激変。個性的な服も見事に着こなすおしゃれさんになっています。ファッションだけでなく、心なしか姿勢や表情まで全くの別人に見えます。

投稿主は、ファッションマインドコンサルタントのmarieさん。4年間で一体なにがあったの? どうすればこんなに変われるの? ということで、marie(@marie.138_)さんに、その変身の全貌を聞いてみました。

◆骨格診断より先に「どんな自分になりたいか?」を考える

――marieさんが行っているファッションマインドコンサルとは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

marieさん(以下、marie)「おしゃれになりたい! と思う方が、どうすればおしゃれになれるのか? まずはマインドから一緒に見直してみようというものです。

世の中には、おしゃれになるために、自分に似合う色を見つけたり、骨格に合った服を探す診断などがありますよね。また、ファッション誌にはさまざまなおしゃれのテクニックも紹介されています。でも、ファッションマインドコンサルではテクニックや診断よりも先に、『どんな自分になりたいか?』を考えることからスタートするんです。

おしゃれといっても人それぞれで、求めるものや悩みも違います。その方が理想とするおしゃれや悩みを掘り下げて、どうすれば理想に近づけるのかを、マインドからアプローチしていくのが私の役割です」

◆「〇〇な服を着なくてはいけない」という“思い込み”の蓄積

――ファションマインドコンサルでは、30〜40代の女性が多いそうですね。どのような相談を受けることが多いですか?

marie「特に多いのが、おしゃれの思い込みに関する相談です。『年相応でなければならないけど、おしゃれになりたい……。どうすればいいですか?』というように『〇〇でなくてはいけないけど』から始まる相談が多いです。

他には『似合う服を着なくてはいけない』『周りに馴染む服でなければならない』『服の系統を統一しなければならない』『着回しできる服じゃなきゃいけない』などですね。地方に住んでいる方の場合、『田舎のスーパーに着て行っても、浮かない服でなければいけない』というのも多いです。皆さん、おしゃれになりたい気持ちはあっても、『〇〇でなくてはいけない』という思い込みを持っている方が多い印象です」

――どれも、思わず「わかる!」とうなずきたくなります。あるあるですよね。

marie「そうなんです。中でも『お母さんらしい服じゃなきゃいけない』という思い込みは目立ちますね。例えば、すっぴんで自分の服装をあまり気にせず、家族を第一に考えるのが『いいお母さん』というイメージを持たれている方が多いんです。だからこそ、特にお子さんがいる方は、『しっかりおしゃれをするとダメなお母さんだと思われちゃうかも……』と悩まれることも。

また、ママ友の集まりでも『周囲から浮かない服装をしなきゃいけない』という縛りを感じている方も少なくありません。でも、こうした『〇〇でなくてはいけない』という思い込みが増えるほど、おしゃれを楽しむことが難しくなってしまいます」

◆周りから浮いた格好をした場合、起こりうる最悪な状況って何?

――ファッションマインドコンサルとしては、どのようにアドバイスをされるのでしょうか?

marie「職場などで服装に決まりがある場合は別ですが、例えばママ友の集まりに着ていく服に明確なルールなんてありませんし、年相応の服を着なければいけないという決まりもありません。ほとんどの場合、そうしたルールはやはり思い込みなんです。

そして、その思い込みの多くは『他人の目が気になる』ことからきています。ですので、お客様が『〇〇な服装にしないといけない』とおっしゃったときには、『逆に、その服装をしなかったら何が起きると思いますか?』と聞くようにしています。例えば、『ママ友の集まりで浮かない服装にしないといけない』とおっしゃる方には、『逆に、浮いた服装をするとどうなると思いますか?』と尋ねます。

お客様が『しなきゃいけない』と感じる理由や、そのルールを守らなかったときに起こりうる怖いことについて、徹底的にお聞きするんです」

――たしかに、どんなことが起きるのか気になりますね……。

◆他人にどう思われても、自分の人生に大きな影響はない

marie「皆さん最初は『陰口を言われるかも』『ママ友に悪い印象を持たれるかも』といった返答をされます。そこでさらに、『具体的に誰の目が気になりますか?』と聞くと、多くの方は仲良しのママ友ではなく、挨拶程度の関係のママが気になるとおっしゃいます。『あの人、あんな格好してどうしたの? って引かれたらどうしよう』と感じるようです。

さらに、『そうなったら、どうなるんですか?』と続けて尋ねます。例えば、そのママに嫌われて、話をしてくれなくなるかもしれない。でも、そうなったときにあなたの人生にどんな影響があるのか? とお聞きすると、皆さんしばらく考えて『何も起きないかも……』『意外と大したことじゃない』と気づかれるんです(笑)。最終的に、そこまで大切ではない人にどう思われても自分の人生に大きな影響はない、という話に落ち着きます。

私自身も他人の目を気にして服を選んでいた時期があったので、この気持ちはすごく分かります。でも、具体的に想像してみることで、思い込みが実際には意味のないものだと気づいてもらえます」

◆「着回しできる服」「服の系統を揃える」は本当に必要?

――「着回しができないといけない」「系統を揃えないといけない」といったファッションの思い込みは、どうしたら解消できるでしょうか?

marie「それも結局は同じなんです。『着回しができなかったらどうなるのか?』『系統を揃えなかったらどうなるか?』と考えてみてください。実際、何も困らないはずですよね。そもそも、なぜ着回しが必要なんでしょうか? 着回しができないなら、同じ組み合わせを一日おきに着ればいいだけです。

私も、『このジャケットにはこのインナーがベスト!』っていうお気に入りの組み合わせがあります。それで自分が一番ときめくなら、無理に変える必要はないと思います。自分が一番気に入っている組み合わせを着ればいいんです。実際に着回しを試しても『これがベストだ』と思える組み合わせって、それほど多くはないですよね」

◆センスがないからおしゃれになれないのではない

―― ファッション誌の「1か月の着回しコーデ特集」ですら、「ちょっと無理があるんじゃ……」っていう日があります。

marie「無理に着回してしっくりこないコーディネートで出かけるよりも、自分の好きなコーデを着続けたほうが気分も良いと思うんです。着回しについても、雑誌などの影響で『たくさん着回さなきゃいけない』と思い込んでいる方が多いと思います。でも、そこは気にしなくて大丈夫ですよとお伝えしています。

もちろん、着回しを楽しめるならどんどんやってもいいと思います。ただ、『しなきゃいけない』と思うことで、本当に着たい服が着られなくなってしまうのはもったいないですよね。ファッションに正解なんてありません。だから、いろんな系統の服を買っても全然いいんです。毎日違う系統の服を着て、その日一番しっくりくるスタイルを楽しむのも素敵ですよね。その時々で自分が着たいと思うものを、自由に選んで楽しんでください」

――marieさんもそのようなマインドで4年前から大きく変わったのでしょうか。

marie「私自身も4年前は、『〇〇でなくてはいけない』という感情にとらわれていました。似合う服を着ないといけない、と思う中で着たい服がなくなってしまったんです。そこから、『似合う服を着ないといけない』などの思い込みを一つずつ捨てて、今のスタイルができあがりました。

もしおしゃれになりたいと思ったら、自分はどんなおしゃれがしたいのか? というマインドの部分から見つめ直してほしいなと思います」

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「おしゃれのセンスがないからおしゃれになれない」のではなく、無意識の思い込みによって、そもそも服の選択肢が制限されていることに気づきました。「お母さんらしくなければいけない」「年相応でなければいけない」「浮いてはいけない」「着回しができなければいけない」など、こんなに多くの「○○でなくてはいけない」があると、服選びが難しくなって当然です。さらに年齢を重ね、ライフステージが変わるたびに思い込みは増えて、着られる服がますます少なくなってしまいます。

おしゃれになれない原因はセンスではなく思い込みにある! こう思えただけで、かなり心が軽くなる気がしませんか。

【marie】
ファッションマインドコンサルタント。「いくつになっても、自分の好きな服でいる!」をテーマに、無難な服を卒業して自分らしいファッションを楽しむ方法を伝える。
Instagram:@marie.138_

<取材・文/瀧戸詠未 写真提供/marie>

【瀧戸詠未】
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーランスライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。X:@YlujuzJvzsLUwkB

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