元ベティスのホアキン・サンチェス氏が、現役ラストマッチを今週末に控えるセビージャの右SBヘスス・ナバスに対して、賛辞を述べた。スペイン紙『エル・デスマルケ』が伝えている。
ヘスス・ナバスのラストダンスが迫っている。先月21日に39歳の誕生日を迎えた、亡き友の意思を継ぐ“16番”は、かねてより2024年内限りでの現役引退を発表していた。セビージャのカンテラーノとして、そのプロキャリアの大半をトップチームで過ごし、ヨーロッパリーグを4度も制覇した。また、先のEURO2024での優勝を以て、スペイン代表における歴代最多タイトル保持者にもなるなど、まごうことなきレジェンドだ。
14日には、本拠地『ラモン・サンチェス・ピスフアン』でのラストマッチとなるラ・リーガ第17節セルタ戦が行われ、ヘスス・ナバスは71分までプレーした。チームも期待の20歳MFマヌ・ブエノのトップチーム初ゴールを守り切り、1−0の勝利。試合後、同選手は「レフェリーが笛を吹いた瞬間から、初日と同じようにすべてを捧げてきた。チームメイトにはこのレガシーを受け継いでほしいし、それに値するセビジスタのためにすべてを捧げてほしい」とし、「はじまりの日から変わることのなかったセビジスタの価値観、献身および勇気とともに僕は去るよ」とメッセージを残していた。
そんなヘスス・ナバスに対して、ホアキン・サンチェス氏が賛辞を送った。昨夏に、一足先に現役を引退した“ベティス”のレジェンドは「ヘススのキャリアと、あなたの人間としての生き様を祝福する。これからは、新たな視点で人生を楽しむんだ。おめでとう。君は素晴らしいキャリアを歩んできた」と口にした。
また、「これからを楽しめ」と強調する同氏は「私たちは、幼い頃からフットボールが中心の生活を送り、多くの犠牲を払ってきた。ようやく、すべてが報われたんだ」としつつ、「以前は、友人に飲みに誘われても断っていたんだけど、今は『どこに行けばいいんだ?』と言うようにしているよ」と引退後の楽しみ方を明かしている。
セビリアを二分するセビージャとベティス。そんな敵対関係にある中で、同じ時代に生きたヘスス・ナバスとホアキン・サンチェス氏は、片やセビージャのクラブ歴代最多出場記録保持者となり、片やベティスのクラブ歴代最多出場記録保持者となった。1つの街で崇められる2人のレジェンドが見せたプレーの数々は、確かに刻まれたとともに、両者が残した“レガシー”を受け継いだ次世代が、新たな伝説を作っていくのだろう。