名古屋鉄道は19日、中部国際空港と協力し、国際線出発便を対象とした「オフエアポート・チェックイン」の実証実験を2025年1月11〜17日に実施すると発表した。航空旅客の手荷物を名鉄名古屋駅に近接する名鉄商店で預かり、搭乗予定の飛行機に積み込み、目的地の空港まで直送する。
名鉄による「オフエアポート・チェックイン」の実証実験は、2024年2月に国内線で実施して以来、2回目となる。1月11〜17日の7日間、名鉄名古屋〜中部国際空港間で実施され、国際線出発便を対象とすることで、よりインバウンド旅客の動きを想定した内容に。臨時の専用列車ではなく、営業列車で荷物を輸送することにより、貨客混載の取組みとしても検証する。
対象の航空便はキャセイパシフィック航空の539便(中部国際空港15時20分発、香港行)または531便(中部国際空港16時40分発、台北経由香港行)。名鉄名古屋駅に近接する名鉄商店(名鉄百貨店本店メンズ館1階)店舗に設置した受付ブースで手荷物を預かり、名鉄名古屋駅ホームまで運搬して営業列車に積み込む。中部国際空港駅まで輸送後、対象の航空便へ積み込むという。手荷物配送料は3,000円(規定サイズのスーツケース1個分の料金)とされている。
昨今、国内外の観光需要が急速に高まり、一部の地域・時間帯にスーツケースを持った観光客で公共交通機関があふれるなど、「オーバーツーリズム」が社会課題となっている。今回の実証実験は観光庁「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」に採択されており、旅客と手荷物を分離して輸送することで空港アクセス列車の混雑緩和を図る。「オーバーツーリズム」の未然防止・抑止に加え、「手ぶら観光」の実現による広域観光周遊の移動利便性向上、観光消費の拡大も目的として、実証実験が行われるという。(MN 鉄道ニュース編集部)