学校法人の土地取引を巡る業務上横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の山岸忍元社長(61)が国に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が20日、大阪地裁(小田真治裁判長)であった。法廷で取り調べの録画映像が再生され、検事が大声で怒鳴る様子が流された。
小田裁判長は、来年3月21日に中間判決期日を指定し、国の賠償責任の有無について判断を示す予定。
この日の法廷で再生されたのは、事件を担当した田渕大輔検事が、山岸氏逮捕につながる供述をした当時の部下を取り調べた様子を映した約20分間の映像。
田渕検事が「どういう神経をしているんですか」と威圧的に迫り、「なめんじゃないよ」と叫びながら机をたたいて捜査方針に沿った供述を促す様子が流された。「バン」という机をたたく音が廷内に響き渡ると、驚いて身をすくませる傍聴人もいた。
山岸氏は終了後に記者会見し、「田渕検事個人の問題ではなく、組織の問題。組織改革をしないとまた問題が起きる」とし、取り調べの適正化を求めた。