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2024年12月21日 12:21 ITmedia PC USER
12月20日、中国One-Netbook Technologyの国内正規代理店であるテックワンが、かねてより販売を予告していた「ONEXGPU 2」と「OneXFly F1 Pro」のお披露目会を東京千代田区にあるハイビーム秋葉原本店で開催した。
お披露目会では、中国One-Netbook Technologyのジャック・ワン(Jack Wang)CEOとビデオ通話を行い、ワンCEOから新製品に対する意気込みを聞くことができた。各製品の概要と、お披露目会の様子、またタッチ&トライの模様をお伝えする。
●最新のGPUを搭載した外付けボックス「ONEXGPU 2」
ONEXGPU 2は、コンパクトな外付けGPUボックスだ。採用するGPUはAMD Radeon RX 7800Mで、グラフィックスメモリは12GB(GDDR6)を搭載している。側面にM.2 2280サイズのSSDを追加可能で、ワンタッチで取り外せるマグネットカバーを用意している。OCuLinkや有線LAN、USB4、HDMIやDisplayPortといった豊富なインタフェースを備えるのも特徴だ。
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PCとの接続はOCuLinkまたはUSB4で行うため、対応製品はONEXPLAYERシリーズやONEXFLYシリーズだけではなく、ASUS JAPANの「ROG Ally X」やレノボ・ジャパンの「Legion Go」、MSIの「Claw A1M」、AOKZOEの「AOKZOE A1 Pro」なども含め幅広くカバーする(一部、専用ドライバのインストールが必要)。
ポート類はHDMI 2.1とDisplayPort 2.0×2の他、USB 3.2 Gen 2 Standard-A×2も備えているので、端子類が限られるポータブルゲーミングPCやモバイルPCのドッキングステーションとしても活用可能だ。
付属のACアダプターを通じて300Wで電源を供給し、USB4端子で接続したPCへ100WのPower Deliveryによる急速給電を行う。PCがバッテリー不足に陥ることなく、安定した電力供給を受けられる。通常価格は14万9800円だ。
●7型OLEDディスプレイを搭載した「OneXFly F1 Pro」
一方のOneXFly F1 Proは、2023年6月に発表された「ONEXFLY」と同じボディーを使いながら、7型ディスプレイには1920×1080ピクセル表示対応のOLED(有機EL)を採用している。
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CPUとメモリ、ストレージ容量はモデルにより異なり、次のようなモデルを用意する。なお、最大144Hzに対応するリフレッシュレート、最大800ニトの高い輝度、sRGBカバー率が152%と広い色域、10点マルチタッチ操作対応のディスプレイは全モデル共通の仕様だ。
・AMD Ryzen 7 8840U/32GB/1TB
・AMD Ryzen AI 9 365/32GB/1TB
・AMD Ryzen AI 9 HX 370/32GB/2TB
・AMD Ryzen AI 9 HX 370/64GB/4TB
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インタフェースはUSB4×2、USB 3.0 Standard-A×1、microSDメモリーカードスロット、3.5mmマイク兼用ヘッドフォン端子などを用意する。バッテリー容量は48.5Wh(1万2600mAh)で、出力65Wの急速充電アダプターが付属している。
コントローラーはXboxシリーズと同じ配列で、RGB LED内蔵のジョイスティックやA/B/X/Yボタン、十字キー、左右のトリガーやL1/R1ボタンを備える他、専用管理アプリケーションの「OneX Console」を呼び出すキーや、カスタマイズ可能なキーなどを搭載している。
ボディーサイズは約263.6(幅)×98.2(奥行き)×22.6(高さ)mmで前モデルと共通だが、重量は約599gと9gほど重くなっている。
価格はRyzen 7 8840U/32GB/1TBモデルが14万8000円、Ryzen AI 9 HX 365/32GB/1TBモデルが18万8000円、Ryzen AI 9 HX 370/32GB/2TBモデルが21万8000円、Ryzen AI 9 HX 370/64GB/4TBモデルが26万8000円だ。
●ポータブルゲーミングPCを“一般的なゲーミングPC”に変える
お披露目会に登場したテックワン 山田拓朗代表取締役社長は、「1年半前に発表したONEXFLYの後継モデルであり、7型ポータブルゲーミングPCのフラッグシップモデルだ」と、OneXFly F1 Proを紹介した。
搭載しているプロセッサのRyzen AI 9 HX 370については、「AMDによれば前世代から最大40%性能が上がっており、実際にRyzen Z1 Extreme搭載機と比較したところ、FPSが56から71と約20%パフォーマンスの向上が見られた」と解説した。
山田社長が最も強調していたのは、7型ポータブルゲーミングPCというカテゴリーで初めて搭載したというOLEDパネルの良さについてだ。「OLEDなので黒が締まる。他社の7型ポータブルゲーミングPCと比べても、前モデルと比べても非常に明るい最大800ニトという輝度で、レベルの違いを見るだけで納得してもらえると思う」と述べた。
コントローラー部には「非対称デュアルリニアモーター」を内蔵しており、左右で別々の振動を再現するためゲームへの没入感を高めてくれる。
また、ユーザーから「内蔵バッテリーが膨らんでしまった」という声を受け、新たに「いたわり充電」と「バイパス充電」に対応した。いたわり充電は、OneXConsoleを使うことで最大80%充電に設定できる。バイパス充電は、電源を接続しながらゲームプレイをする際、バッテリーを介さず本体へ給電することで、バッテリーへの負荷を減らすというものだ。
山田社長は、「バイパス充電のおかげで、バッテリーの劣化を気にすることなくデスクトップPCのような使い方もできるようになる」とポータブルゲーミングPCとして以外の活用方法を提案していた。
なお、これらの機能はBIOS(UEFI)とOneXConsoleのアップデートによって、既存モデルでも利用できるようになる。方法についてはテックワンのサポート記事を参考にしてもらいたい。
●先行購入者に「オリジナルネームタグ」をプレゼント
OneXFly F1 Proの発送は2025年1月10日にスタート予定だが、1月31日までの購入者限定で、コントローラー下部をカスタマイズするオリジナルネームタグの特典が付く。文字数が限られるものの、自分の名前やeスポーツチーム名などを入れてカスタマイズすれば、愛着がわくことだろう。
山田社長は「eスポーツチームの宣伝のためにも、ぜひ活用してもらいたい」と語っていた。
また、中国からビデオ通話に参加したワンCEOは、「AMD Ryzen AI 9 HX 370とOLEDを備えたハイスペックモデルとして開発した。さらに、ユーザーから要望の多かったバッテリー問題も解決することができた。長く使ってもらえる製品になったのではないか」と語っていた。
●ONEXGPU 2は“外付けGPUステーション”だ
ONEXGPU 2について山田社長は「外付けGPUボックスではなく外付けGPUステーションと呼ぶにふさわしい製品だ」と語る。USB4またはThunderbolt 4でPCと接続することで、最大3画面、4K/8K出力が可能になるのに加え、USBハブ機能、SSDの追加などを行えるからだ。
もちろん、接続したPCのグラフィックスの処理性能も高められる。例えばROG AllyなどRyzen Z1 Extreme搭載モデルとつなげることで2倍以上パフォーマンスが向上するという。
試しに、Core Ultra 7 155H搭載の「ONEXPLAYER X1」と接続してベンチマークテストの「ファイナルファンタジーXIV 黄金のレガシー」を試したところ、フルHD(1920×1080ピクセル)画質では本体のみでは4183というスコアが、1万5590と373%もスコアがアップしたという。4K(3840×2160ピクセル)最高品質でテストしたところ、本体のみでは計測不可で1214だったのが、「やや快適」で6429となった。
「ONEXGPU 2を使っていただくことで、ポータブルゲーミングPCが一般的なゲーミングPCクラスの性能を獲得できるようになる。ゲームプレイをしない人であっても、3D CADやCGなどのレンダリング処理の高速化が可能だ。インタフェース類が豊富でPCの機能を拡張できることもあり、ゲームにもビジネス用途にも活用してもらえる」(山田社長)
ONEXGPU 2の発売は1月上旬を予定しているとのことだ。予約期間中は通常価格から5000円オフとなる14万4800円で受け付けている。
●画面の美しさが際立つOneXFly F1 Proと巨大化したONEXGPU 2
発表会後に、OneXFly F1 Proの実機を使ってゲームプレイしているところを撮影したが、かなり斜めの位置からでも表示されている映像を確認できた。また、フルHDとは思えない精密さで、「これはゲームし始めたら没頭してしまうだろうな」と思った。
写真では分かりづらいが、前モデルと比べてパキッとしたコントラストで明るいディスプレイも印象的だった。
ONEXGPU 2は、前モデルであるONEXGPUと比べてかなり巨大化した。サイズは約229.5(幅)×175(奥行き)×43(高さ)mmで、重量は約1590g(ONEXGPUは約869g)もある。
ONEXGPUでは横置きもできたが、新モデルでは両面に冷却用ファンがあることから縦置きが必須だ。
スペックの低いPCであっても、接続すればパフォーマンスがぐっと上がるONEXGPU 2と、AMD Ryzen AI 9 HX 370を搭載したOneXFly F1 Proがあれば、仕事も2倍以上のスピードで進められるのでは!? と妄想が一段と進むお披露目会であった。
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