予兆とはどういったものなのでしょうか? あわせて老後貧乏を回避できるためにやるべきことを紹介します。
老後貧乏を予感する状況とは?
では、老後貧乏を予感するのは、どのようなときでしょうか。1:貯金の不足を感じるとき
50代になると、定年退職や年金受給が現実味を帯びてきます。この時期、自分が持っている貯蓄額が老後の生活費に対して十分でないと感じると不安が増します。2:年金受給額の試算をして低額と感じるとき
「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、自分が65歳からもらう年金の受給見込み額を確認したとき「予想していたよりも少ない……」と気づくと、シビアな老後生活を想像してしまいます。
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3:再雇用で働いたとしても収入が大きく減少するとき
現職を退職した後、同じ会社に再雇用で働く人は多いでしょう。その際、正社員からパート、嘱託などに待遇が変わり収入が大きく減少することがあります。収入を確保しようと思い再雇用ではなく、再就職を選んだとしても、希望の条件にかなう就職先が見つからなければ、老後の生活を危ぶむ気持ちが生まれます。4:家族構成や家族の状況に不安があるとき
家族構成や家族の経済状況も大きく影響します。たとえば、子どもが自立していなかったり、親の介護が必要だったりすると、経済的な負担が心配になります。また、頼る家族がいない独身者であれば、自分だけで老後の生活を支える必要があります。急に孤独を感じて、先々に対する不安が増す人もいます。
5:健康不安を感じるとき
50代になると健康診断で数値を指摘されることがあったり、体力の衰えを感じることがあったりします。将来、医療費や介護費用がどれくらいかかるのかが心配になることもあります。また「病気で働けなくなったら……」を考えることも老後貧乏の不安を増す原因となります。
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「老後貧乏」にならないための心がけとは?
50代で老後貧乏を感じたとしても、実際の老後までは、まだ間があります。次の3つを心がけましょう。心がけ1:資産の見直しと計画的な貯蓄
自分の現在の資産状況や将来必要な生活費を正確に把握しましょう。そのためには「老後までの貯蓄計画」「支出の見直し」をするとよいでしょう。「老後までの貯蓄計画」では、老後に必要な資金を明確にし、それに向けて貯蓄を増やす計画を立てましょう。その際、定期預金、個人型確定拠出年金(iDeCo)などの中から自分にあったものを活用しましょう。
「支出の見直し」では、現在の生活費の中にある無駄な支出を見つけ減らす取り組みです。たとえば、不要なサブスクリプションサービスの解約や、通信費の見直し、加入保険の保障を見直すなどがあります。食費などの変動費よりも、保険料や通信費などの固定費を中心に削減しましょう。
心がけ2:定年後の収入を確保に向けた準備
定年後の収入を確実に得るために、再雇用後の条件を早めに確認しておきましょう。もし再就職を検討するのであれば、シニア求人について調べたり、ハローワークなどで相談をして理想の条件により近い就職先を見つける準備をしましょう。
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心がけ3:健康管理
健康を維持するためには、定期的な健康診断を受け、病気の早期発見・早期治療に努めることが大切です。また、日常にウオーキングやヨガ、軽い筋力トレーニングなどの運動を取り入れ、体力を維持しましょう。老後貧乏を予感するような状況にある場合は、いまのうちに準備をしておきましょう。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))