インスタント麺のスープや出汁の味付けには、「関西風」と「関東風」があります。しかしこれ、ちゃんと食べ比べるには2つとも買わないといけないのが地味に辛いところ。食べ切れるか不安だし、そもそも2ついっぺんに手に入るところがない……。
近所のドラッグストアで見つけたカップ麺が、まさにそんな悩みに一石を投じる、斬新なコンセプトの商品でした。
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12月16日に発売開始したばかりの「超大盛りスーパーカップ2.0倍 豚骨醤油ラーメン 関西風から関東風」は、途中で味を「関西風」から「関東風」へと変えることができるというカップ麺。価格は税込343円です。
「いや超大盛りじゃん。量2倍じゃん。食べ切れるかどうかの不安は解消されてないじゃん」というツッコミは心の中にとどめておいてください。
ベースとなる味は豚骨醤油。「関西風」では豚骨強め、「関東風」では魚介強めで楽しめるようです。
こういうギミックのある食べ物は、子どものころに初めて「ねるねるねるね」を食べたときから、ずっと大好きです。
個人的にはパッケージもツボ。左半分が関西風で赤色、右半分が関東風で青色と別れており、関西から関東へと進む新幹線のイラストが描かれています。
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新幹線の上に書かれている「ご当地TRIP」や、側面ある「東西ご当地、一気食い!!」というフレーズも、この商品のコンセプトを的確に表していて好きです。ワクワクが止まりません。
それでは開封していきます。中に入っているのは「かやく入り粉末スープ」「液体スープ」「ふりかけ」の3種類。
最初の「関西風」は「かやく入り粉末スープ」と「液体スープ」だけを使います。「ふりかけ」は後半の「関東風」用です。
作り方は一般的なカップ麺と同じ。最初に「かやく入り粉末スープ」を麺の上にあけ、お湯を入れて3分待ちます。
3分後、待っている間に蓋の上で温めておいた「液体スープ」を中に入れてよくかき混ぜ、まずは「関西風」が完成です。
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中太の縮れ麺をがばっとすくって持ち上げると、パンチ強めで食欲をそそる匂いが立ちます。麺はほどよく弾力があり、食べごたえは十分。具にはそぼろ状の加工肉と、青ネギが入っています。
スープをすくってみます。白い油滴がてらてらと浮かんでいますが、味は意外とあっさり。豚骨の風味もありますが、どちらかというとニンニクの香りが前に出てきています。
うどんやそばなどの出汁系は、関西の方が薄口と聞きます。豚骨もそうなのでしょうか?
豚骨味が薄くはあるものの、ニンニクが効いたスープは、これはこれで美味しいです。
麺を半分ほど食べたかな?というところで箸を置き、味変タイム。用意するのは端に寄せていた「ふりかけ」です。
これを入れたらもう「関西風」には戻れません。パッケージに新幹線が描かれていたためでしょうか、まるで旅の終わりに駅のホームに立って、入線してくる新幹線を見ているような、そんな切なさを覚えます。
「いや、これは旅の終わりやない。関東への旅の始まりなんや」と内なる関西人に叱咤され、味変を実行します。
「ふりかけ」の中身は魚粉。ニンニクと豚骨とに慣れていた鼻が、新鮮な香ばしさに満たされます。
残った半分に「ふりかけ」を投入し、よくかき混ぜたら「関東風」の完成です。
魚粉の影響か、スープはさっきよりもやや濁った印象。そして匂いは一気に魚の香ばしさを感じるものに変わっています。
まずはスープから。魚の旨味をしっかりと感じられる味で、先ほどまで存在感を主張していたニンニクはふっと消えてしまった様子。同時に元から薄かった豚骨感も消えて、スープのパンチはかなり減りました。魚粉、強し。
ただ、その分あっさりして飲みやすくなっています。そしてあっさりしつつもスープの奥の方にはニンニクと豚骨が時々顔を出すので、パンチがないわけでもありません。筆者的には「あっさりときどきパンチ」な「関東風」の方が好きです。
スープのあとは、麺を絡めていただきます。
スープ単体では「関東風」の方が好きでしたが、麺が加わるとちょっとこのあっさりさでは物足りない気がします。「関西風」くらいパンチがある方が、麺の美味しさが増すような。
スープ単体なら「関東風」、麺と一緒に食べるなら「関西風」といったところでしょうか。
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食べ終わってみて、1つ失敗だったなと思うのが「ふりかけ」を入れるタイミング。筆者は麺の量で判断していたのですが、おそらくスープの量で判断するのが正解だったはず。
もう少しスープの量を減らしてから入れると、「関東風」も麺ともども楽しめたのかなと。
今回は「関西風」「関東風」の味変でしたが、探せば色々と味変のパターンはありそうです。この商品を機に各社が参戦して、2025年が「味変カップ麺戦国時代」になることを、密かに願っています。
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024122205.html
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