今回は特別支給の老齢厚生年金を受給した場合、65歳からの年金は繰下げできるのかについてです。
Q:特別支給の老齢厚生年金を受給しますが、65歳からの年金は70歳まで繰下げて年金額を増やすことはできますか?
「教えてください。昭和39年2月生まれ女性です。特別支給の老齢厚生年金を受給するが、65歳からの年金は70歳まで繰下げすることはできますか? 年金額を増やしたいので繰下げを考えています。65歳までは雇用継続予定です」(なおみ)A:特別支給の老齢厚生年金を受給した後、希望すれば、65歳からの老齢年金を66歳以降75歳になるまでの期間で、繰下げして年金を増やすことができます
老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は、原則65歳から受け取れますが、受給要件を満たした人は、65歳になる前に特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。特別支給の老齢厚生年金は繰下げ受給はできませんが、65歳から受け取れる老齢基礎年金と老齢厚生年金は、希望すれば、65歳で受け取らずに、66歳以降75歳になるまで繰下げすることができます(昭和27年4月1日以前生まれの方の繰下げの上限年齢は70歳)。
相談者が希望するように「65歳になるまで特別支給の老齢厚生年金を受け取り、65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金の受け取り開始を66歳以降に繰下げすることは可能で70歳まで繰下げる」こともできます。
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老齢基礎年金、老齢厚生年金を片方だけ繰下げすることもできますし、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰下げすることもできます。
もし加給年金を受け取れる場合、老齢厚生年金を繰下げしている期間は加給年金額が停止されるので注意が必要です。加給年金額の支給停止を避けるためには、65歳から老齢厚生年金は受け取って、老齢基礎年金のみ繰下げするといいのではないでしょうか。こうすれば老齢厚生年金に加給年金額が加算されて受け取れます。
また相談者は65歳までは雇用継続予定とのことですが、特別支給の老齢厚生年金を受給する際に在職老齢年金による支給停止にも注意が必要です。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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