<全国高校駅伝・女子>◇22日◇たけびしスタジアム京都発着(女子5区間21・0975キロ)
仙台育英(宮城)が1時間7分45秒で3年連続の2位となった。5区(5キロ)を任された細川あおい主将(3年)はゴールした瞬間に崩れ落ち、涙。今年も頂点には、18秒届かなかった。
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追い上げて、追い上げて、それでも18秒届かなかった。細川は「長野東のほうが自分たちより強かった」。止まらない涙を必死に抑えながら、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。「前も見えていたし、差も縮まったし…。今年もあと1歩。逆転できるつもりで走っていたので、悔しさしかなかったです」。ゴールの瞬間、糸が切れたように崩れ落ちた。
第4中継所では、トップと31秒差の3位でタスキを受けた。「前を抜けるのは自分しかいない」と奮い立ち、差をどんどん詰めた。前だけを向けたのは2年間の悔しさがあったからだ。
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アンカーを務めた1年時は、中間点を過ぎてから長野東に抜かれた。1区を任された昨年は、3位でタスキをつなぎいい流れをつくったが、チームは1秒差で敗れた。だからこそ「最後まで諦めなければ抜けると思った」。時折苦しそうな表情も見せながら、あの日の悔しさを力に走った。釜石慶太監督(37)は「この3年間の彼女の思いがすべてこもった、いいレース、いい走りでしたね。いい顔つきで走ってくれました」とたたえた。頂点にこそ届かなかったが、主将として、背中で、表情で、チームを引っ張り続けてきた。
仲間の存在も大きかった。1区を走った長岡みさき、3区を走ったデイシー・ジェロップとは、1年時から都大路でタスキをつないだ。細川は「デイシーとみさきと、3人でチームを引っ張ってきた。一緒に、切磋琢磨(せっさたくま)しながら頑張れたので、いい仲間に出会えたと思います」。これで8年連続のメダル獲得。仲間とともに、仙台育英の歴史を紡いだ。
高校陸上を「チームのみんなや監督に支えられて、ここまで頑張れて、育英で3年間競技ができてよかった」と振り返った。陸上は続ける。かけがえのない3年間を力に、これから先で金メダルをつかんでみせる。【浜本神威】
▽仙台育英・1区長岡みさき(3年=19分35秒で区間3位) 苦しい時期もあったんですけど…、最後はエースとしてしっかり仕事ができたかなと思います。(細川、ジェロップには)ありがとうと伝えたいです。
▽仙台育英・3区デイシー・ジェロップ(3年=9分26秒で区間5位) 3年間みんな一緒に頑張ってきた。めっちゃ大好きです。みんな優しいです。惜しかったけど、みんなで追い上げられてうれしかったです。
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