違法薬物を譲り受けたとして麻薬特例法違反の罪で起訴された精密機器メーカー「オリンパス」の前CEOが初公判で起訴内容を認めました。検察側は懲役10か月を求刑しました。
精密機器メーカー「オリンパス」の前CEOのシュテファン・カウフマン被告(56)は、都内で複数回にわたり、コカインやMDMAとみられるものを違法薬物として譲り受けたとして、麻薬特例法違反の罪に問われています。
きょう、東京地裁で開かれた初公判で、カウフマン被告は「起訴状の内容は正しく、すべて事実に即したものです」と述べ、起訴内容を認めました。
この事件では、“譲り渡し役”の金子高明被告(44)も麻薬特例法違反などの罪で起訴されています。
カウフマン被告は被告人質問で、違法薬物を使用した経緯について「仕事の疲れやストレスなどから友人に勧められて違法薬物を使用するようになった」と明らかにし、薬物の“譲り渡し役”だった金子被告から「違法薬物の使用をマスコミや会社にバラす」と脅されていたと説明しました。
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検察側は「被告人はオリンパスCEOという社会的に地位のある立場でありながら、違法薬物への依存性が認められる」と指摘。カウフマン被告が説明した動機については「会社の顧問弁護士や警察に相談できた」として、懲役10か月を求刑しました。
一方の弁護側は「カウフマン被告は真摯に反省している。外国という環境で強いストレスがあり、金子被告からも執拗な脅迫を受けていた」として、寛大な判決を求めました。
判決は今月27日に言い渡される予定です。