「30〜40代でこの服はイタい」と避ける人が、逆に老け見えしやすい理由。“おばさん”を受け入れたらラクになる

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2024年12月23日 16:00  女子SPA!

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ファッションマインドコンサルのmarieさん
似合う服、好きな服、周りから浮かない服、シチュエーションに合った服。30〜40代になると考えることが多すぎて、おしゃれ迷子になりがちですよね。そんな時にとどめを刺すのが「30〜40代でそのファッションは痛い」問題。

ただでさえ着る服で悩むのに、痛くない服にしなければならないと考えると、着る服がもはやなくなりそうです。そんな迷える30〜40代女性の「痛くない服選び」について、marie(@marie.138_)さんに取材。ファッションマインドコンサルをしているmarieさんは、“似合わないけれど大好きな服”を選び続けたら、4年で別人のように大変身。SNSに投稿した、ビフォーアフターの写真が話題になりました。

「いくつになっても、好きな服を着ればいいんです!」と語るmarieさんは、この問題をどう斬るのでしょうか?!

◆「とにかく痛い服を着たくない」30〜40代女性たち

――30〜40代女性の場合、思い込みや似合う似合わない以外に、「痛いファッションを避けたい」という気持ちも強いと思います。ノースリーブやフリル、花柄、ショートパンツなどを、年齢を気にして避けている人も多いはず。“痛いファッション”にならないためにはどうすればいいのでしょうか。

marieさん(以下、marie)「30〜40代以上の女性がノースリーブやショートパンツを痛くなく着こなす方法やテクニックは、たくさんの専門家が雑誌やSNSで教えてくれています。ですので、私はマインドの部分でお伝えしたいと思います。

『痛い格好をしたくない』と思う方は実際に多いですが、私がそのような方にお伝えしているのは、『痛くてもいいじゃないですか』ということです」

――いっそ開き直ってしまう、ということでしょうか?

marie「年齢を重ねると、痛く思われないように行動しますよね。服装も『痛くない』『おばさんっぽく見えない』を基準に選びがちです。

でも皆さん、自分が10代の頃、若さが最強の武器だったときを思い出してみてください(笑)。10代の頃って、30代も40代も50代も、ひとくくりでみんな『おばさん』と思っていませんでしたか? あの人は30代でその人は40代……なんていう風に、他人のことを細かくは見ていなかったですよね。30代を過ぎれば、みんなおばさん。そう思っていた感覚、心当たりがあると思います」

――(笑)。たしかに、若者から見ると何を着てようが関係なく、ひとくくりでおばさんですね。

◆年相応な格好をしたからといって、若くなるわけではない

marie「そんな中で私たちが痛いか痛くないかを気にしたところで、彼らにとっては『無難な服のおばさん』と『派手な服のおばさん』の差でしかありません。

30歳を過ぎたらおばさんって呼ばれる年齢だし、単に『おばさん』というだけで痛いと感じられてしまうのも仕方ないこと。でもそれを自覚して、『おばさんでいいじゃない』って思うことが大事だと思います。

年相応な格好をしたからって、若くなるわけではないんです。だったら、一度きりの自分の人生だし、『好きな服を着てハッピーなおばさん』でいいじゃありませんか!」

◆「私って、痛いけどイケてる!」のマインド

――たしかに、おばさんで何が悪いのって感じですね。実際に若い人から見たら30代以上の女性はみんなおばさんですしね。

marie「おばさんだということを認めて、受け入れてしまえば、『そんな服着て痛いね』と言われても、傷つかないんですよ。痛いことはすでに受け入れているから。『そうだよね!』『痛いよね、ごめんね!』くらいの軽い感じで終わると思います。

そうすると、痛いと言われても落ち込まなくなります。自分を受け入れたうえで着たい服を着ているので、他人の評価に一喜一憂しなくなります。振り回されなくなるんです。

『痛いって思われたくない!』『おばさんって思われたくない!』というマインドのときは、自分が一番ビクビクしている状態です。だから、痛いと言われると『やっぱり痛いんだ……』と落ち込んだり、怒りが湧いたりします。逆に『素敵だね』と言われると、『良かった』って安心したり。他人の言葉にすごく左右されてしまうんですよね。

でも、自分を受け入れられるようになれば、他人に何を言われてもブレなくなります。鏡で自分を見て『今日の服装いいな!』と思えるのが一番。『痛いけどイケてる!』『おばさんだけど若々しい!』って」

――「痛いけどイケてる!」っていうマインドは最強ですね。

◆自分の嫌な部分をちゃんと見て、ちゃんと落ち込む

――服を選ぶにあたって、皆さん体型や骨格などで何かしらのコンプレックスを持っていると思うのですが、コンプレックスをファションで解決するコツについても教えてください。

marie「例えば、顔が大きいことがコンプレックスだとしますよね。でも、それも『でかいんだからしょうがない』と一度受け入れることが大切です。体型のコンプレックスを受け入れるのはかなり大変なので、時間がかかると思います。

私が体型コンプレックスを持つお客様におすすめしているのは、まず写真を撮って自分が気になる『嫌なところ』を洗いざらい出しきる作業です。『私、顔がでかいな!』とか『目が小さいな!』とか悪口レベルでいいので、1週間、自分のコンプレックスを思い切り出しきるんです。ちょっとスパルタですが(笑)。

自分の嫌なところって、ちゃんと見たくないじゃないですか。だって嫌なんですもん。でも、見ないということは、ずっと受け入れられないということです。受け入れられないから『なんで私はこうなんだろう』『あの人はいいな』って落ち込むんです。でも、『私って顔がでかいな』と一回落ち込みきると、だんだん『しょうがないな』という気持ちになってきます。私もやってみましたし、お客様にもやっていただいて、かなり効果がある方法だと思います」

◆自分の嫌なところを無理に「ポジティブ変換」しない

――1週間自分に悪口を言い続ける……。けっこうスパルタですね(笑)。

marie「ここで大事なのは、自分のコンプレックスを吐き出すときに、変にポジティブに変換しないことです。私たちは、マイナスなものに対して良い面を見つけようとしがちですよね。でも、体型コンプレックスでこの変換をしてしまうと、逆にこじれてしまいます。

コンプレックスを出しきるタイミングでは、気持ちに嘘をつかず、まずは嫌なものとして吐き出すことが大切です。たとえば、二の腕が太くて嫌だと思っているのに、『太くて肉感があるのが女性らしい』などと変換しないようにしてください。まずは自分の気持ちに素直になることが大事です。

無理にポジティブに考えようとすると、かえってコンプレックスが長引いてしまいます。本当の気持ちに嘘をつかず、感情に蓋をしないようにしてください。嫌なものは嫌だ、とちゃんと認めて1回落ち込むことが大事です。その後に受け入れると、嫌いだった部分にだんだん慣れてきます。たとえば、太っているけどなんかかわいいなとか、ちんちくりんだけど愛おしいなって、自然にそう思えるようになります。その気持ちを大事にしてください」

◆コンプレックスを「ただの事実」として受け入れる

――受け入れてしまえば、コンプレックスではなくてただの事実になりますもんね。

marie「コンプレックスって、認めていないのは自分だけなんですよね。たとえば、顔が大きいのはもう現実ですよね。この顔の大きさで毎日生きているわけですから。だから、自分以外の家族や友達は、私がこの顔の大きさであることを普通に認識しています。それに対して、いちいち『コンプレックスだ』とは言わないですよね。周りの人にとっては、それはただの事実なんです。自分だけがそれにこだわっている。

だから、自分の中でもこじらせないで、ただの事実として受け入れるべきなんです。その上で、隠したければ隠せばいいと思います。コンプレックスと感じている場所を出すか隠すかは、自分の自由です。

私は二の腕がずっとコンプレックスでした。年齢を重ねるうちに、たるみやぷよぷよ感が気になり、自分の二の腕に幻滅して落ち込んでいたんです。落ち込んでいるときって、隠す服を着ても『コンプレックスだから隠さないといけない』と思って、隠していることが余計に落ち込ませるんですよね。でも、出したら出したで、今度は周りの目が気になって、そわそわしちゃいます」

◆見て見ぬふりをせずに、自分の中で消化して

――気にしている限り、出しても隠しても気持ちは晴れませんね。

marie「はい。でも、私の場合は二の腕の太さがコンプレックスからただの事実になったら、『そういうもの』という認識に変わって、意識も軽くなりました。たとえば、今日は二の腕をカバーしようかなとか、今日は二の腕を出そうとか。出してみて気分が上がらなければ、やめておこうとも思えるようになります。もっと軽く考えられるようになるんです。

見て見ぬふりをすると、コンプレックスはどんどん深くなってしまいます。深刻さを一度自分の中で消化することが大事です」

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おばさんだと思われたくないとしても、実際におばさんだからしょうがないというmarieさんのシンプルな発言に衝撃を受けました。そもそも、実際におばさんなのに、なぜおばさんと思われたらダメなのでしょうか。そこには根深い思い込みがあるのかもしれません。

周りの目を気にして地味な格好をするおばさんではなく、好きな服を着てハッピーなおばさんでいるほうが、人生は間違いなく楽しそうです!

【marie】
ファッションマインドコンサルタント。「いくつになっても、自分の好きな服でいる!」をテーマに、無難な服を卒業して自分らしいファッションを楽しむ方法を伝える。
Instagram:@marie.138_
<取材・文/瀧戸詠未 写真提供/marie>

【瀧戸詠未】
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーランスライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。X:@YlujuzJvzsLUwkB

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  • 普段は若作りでも似合ってなくても好きに着たらいいと思うけど、子供の学校行事や冠婚葬祭時は年相応のTPOに合った服着とかないと子や夫が迷惑する
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