木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第45回
2年前に茨城のコースに入会し、月1ペースでラウンドしています。そこでは、別にどうこうするわけでもなく、知り合いを呼んで、和気あいあいとラウンドするのが楽しいです。
過去にも2回、倶楽部のメンバーになっていましたが、その際はひとりで行って競技生活に励んでいる時期もありました。ハンデキャップを上げることに尽力して、せっせとホームコースに通ったものです。結果、月例杯で優勝したこともあります。
でも、今在籍している倶楽部では競技に出ていません。なのに、昔より今のメンバーライフのほうが充実していて楽しいです。
そんなことを含めて、現在のメンバーコース、倶楽部は、以前と何がどう違ってきているのか、説明したいと思います。まずは、この話から。
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(1)倶楽部メンバーの減少傾向
年末を迎えた現在、各ゴルフ場は連日「忘年会ゴルフ」「打ち収め」と称して、大入り状態が続いています。それは誠によろしいことですが、一方で、倶楽部メンバーの数となると、減少傾向にあります。
やはり、団塊の世代がごっそりメンバーをやめている――その影響が大きいです。
代わって、新しい世代のゴルファーがメンバーになるかというと、そういう人はさほどいません。それは、ビジターでもラウンドできるし、競技ゴルフにはあまり興味がないし、ひとりでふらっとプレーしたい場合はひとり予約をすれば、事足りるからです。
そういう状況を知りながらも、自分は2年前に茨城の扶桑カントリー倶楽部に入会。独自のメンバーライフを楽しんでいます。
では、メンバーが減少している倶楽部運営はどうなっているのでしょうか。
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(2)メンバー減少による競技の衰退
従来、ゴルフ場の理想的なメンバー数は、18ホールあたり正会員が1200人ほどと言われていました。私が入っているコースは、メンバーが最もいた時期が約4000人。いわゆる大衆コースだったのです。
それを、大手のPGM(パシフィックゴルフマネージメント)が買い取って、年会費滞納者、いわゆるスリーピングメンバーを整理しました。そうして、今は27ホールあるのにメンバーは1000人未満。だいぶ減っています。案の定、団塊の世代がごっそりやめたようです。
メンバーが減った倶楽部は当然、競技参加者も減ります。月例競技は維持できても、祝日杯や平日杯などの参加者は少なく、競技が開催されない場合もあります。
結果、新ペリアで行なわれるオープンコンペや懇親会といった、競技ふうなイベントが代わりに増えています。これなら、ハンデがなくても参加可能ですし、ビジター同伴でも大丈夫、というわけです。
(3)メンバーがひとりでは来られない
メンバーシップ制度をしっかり運営しているコースでは、週末はメンバー同伴でしかプレーできません。さらに、メンバーがひとりで来たときには、組み合わせラウンドができるメンバータイムを設けています。
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ですが、今はそのような、ちゃんとした倶楽部はだいぶ減りました。週末にもビジターをどんどん入れて、メンバータイムもないありさまです。
今、ひとりでコースに来るメンバーは、ひとり予約に申し込んでビジターと一緒にプレーしてください、とのこと。なんか、味気ないですよね。
だから、仲間を誘っての"仲よしラウンド"が増えている、というわけです。
(4)ホームコースという概念の変化
昔のメンバーコースは、ゴルフ場が"我が家"みたいなものなので、ひとりで来てメンバーと交流してください、というスタイルでした。もともと英国の社交倶楽部から始まった、古きよきエスタブリッシュされた紳士・淑女の集まる場所だったのです。
じゃあ、今はどうか?
メンバーが自由に使えるコース――それがホームコースだと思います。これは、あくまでも個人的な考えで、タワマンなどでホームパーティーを開く感覚に似ています。
もちろん、私はタワマンに住んでいません。だから、自宅マンションに友だちは呼びづらいです。その代わりに、ホームコースに誘って、ホームパーティーみたいなことをやりましょう、というわけです。
自宅でホームパーティーをやるとなったら、準備が面倒くさいし、持ち出しも多くなります。あと、夫婦単位での集まりになりがち。
そこで、そういったことを取り除いて、気の合うゴルフ愛好者をホームコースに呼んで、ラウンド後に飲み食いするのです。
飲み食いするのはゴルフ場のレストランでも構いませんが、それだと帰るのが億劫になります。帰りにどこぞの居酒屋に寄って、二次会をやるのがいいです。さすれば、立派なホームパーティーになる、というものです。
外での宴会なら、持ち出しが少なくて経済的。プレー料金や飲み代は割り勘だし、何の準備もいりません。このやり方は結構好評で、何回かゴルフがてら飲んでいます。
で、この"ホームパーティー"的ラウンドは、何がどうよろしいのでしょうか。
(5)ホームパーティーに適しているコース
あくまでも結果論ですが、自分の今のホームコースはラウンド後の飲み会にも向いていました。
まずアクセスですが、常磐線の友部駅下車、クラブバスで10分です。茨城県は都心からちょっと遠いですが、特急列車で1時間ちょっと。だから、ラウンド後に飲む方には電車で来てもらうようにしています。
飲み会の会場は、その日の参加者が住んでいるところを聞いてから決めます。これまでだと、取手や北千住、上野など、常磐線方面が多かったですかね。
プレー料金は平日7000円台。値ごろで誘いやすく、二次会の予算も捻出できます。
昔は、平日でもビジターのプレー料金は2万円ほど。土日だと3万円はするコースに入っていたので、なかなか誘いづらく、あの頃はゲストが少なかったです。「井上誠一が造ったコースだから1回行ってみたい」という方はいましたが、そう何度も来るのはしんどいですよね。
また、今のコースは乗用カートでフェアウェー乗り入れ可能。夏場は扇風機付きのクールカートを使用してのラウンドで、これがまた好評です。
あと、メンバーとしては、名物コースの説明とか、難しいホールの攻略法を説いたり、オーケーの距離を決めたり、あるいは名物料理の解説をしたりして、自分の思うようなプライベートラウンドができて楽しいです。
こうしたことが、ビジターラウンドとの違いでしょうかね。
そして、いよいよ二次会ですが、やはり共通の趣味を持っている人と飲むと、話が盛り上がります。
過去においては、ホームパーティーに呼ばれて場違いを感じたことがありました。でも、ゴルフの"ホームパーティー"では自分で仕切って好きな人しか呼ばないので、そういうこともありません。
オジさん世代になると、プライベートで会う人は固定しがちです。だから、自ら音頭を取って、ゴルフの友だちの輪を広げるのです。
来年もこのパターンで、お気楽ゴルフの和を広げていきたいと思っています。さて、二次会は何回やることになるんでしょうかね、お楽しみに。