ドジャース補強候補に「鈴木誠也」が急浮上。大谷翔平らと共闘で16年ぶり“日本人カルテット”誕生はあるのか

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2024年12月26日 09:21  日刊SPA!

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写真/産経新聞社
 ワールドシリーズからまもなく2か月。野球界最高峰の舞台で対峙した伝統球団のドジャースとヤンキースは、いずれもビッグマーケットに本拠地を置くだけに球団価値も高く、資金力も豊富だ。
 日本のプロ野球ではこのオフ、巨人とソフトバンクが金に糸目をつけない補強を敢行しているが、メジャーリーグで毎年のように目立つのはやはりドジャースとヤンキースの積極補強である。

 ヤンキースは先週末に、カージナルスからFAとなっていたベテラン一塁手ポール・ゴールドシュミットと1年1250万ドル(約19億円)で契約に合意。これでアーロン・ジャッジ、ジャンカルロ・スタントン、コディ・ベリンジャーに続く4人目のMVP受賞者がヤンキースに所属することとなった。フアン・ソトが抜けた穴を埋めるべく、今後も更なる戦力アップを図っていくだろう。

 ヤンキースに史上7組目のMVPカルテットが誕生したが、2年連続世界一を狙うドジャースも対抗するように日本人カルテットを誕生させるかもしれない。

◆鈴木誠也がドジャース補強の候補に

 今季は大谷翔平と山本由伸の日本人選手2人が所属したドジャース。温暖な気候や日本からのアクセスの良さも相まって、これまで多くの日本人選手がドジャーブルーのユニホームに袖を通してきた。

 1990年代後半にトルネード旋風を巻き起こした野茂英雄に始まり、石井一久、斎藤隆、黒田博樹、前田健太、ダルビッシュ有など、いずれも日米で成功を収めてきた面々だ。

 ヤンキースに負けじと補強に動いているドジャースだが、今季、大谷に次ぐ33本塁打を放ったテオスカー・ヘルナンデスの流出が現実味を帯びている。FAとなっている本人は残留を熱望しているとされるが、球団側と選手側が希望する条件に隔たりがあり、再契約の交渉は進展していない。そのためチームはテオスカーの代役となり得る右打者の獲得を検討しはじめたようだ。

 米スポーツ専門サイト『ジ・アスレチック』のケン・ローゼンタール氏によると、パドレスからFAとなっている金河成や、ルイス・ロバートJr.(ホワイトソックス)のほかに、鈴木誠也(カブス)もドジャースの補強候補に挙がっているという。

 長打力ではテオスカーにかなわない鈴木だが、カブスで過ごした3シーズンでメジャーの水にも徐々に慣れ、成績は右肩上がり。強打者がそろうドジャース打線に入れば、本塁打も25〜30本を期待できるかもしれない。

◆トレード拒否条項を破棄する可能性も

 カブスとの契約にはトレード拒否条項が盛り込まれているが、指名打者(DH)ではなく外野守備に就くことを望む鈴木なら、それを破棄する可能性も十分あるだろう。仮に来季もカブスでプレーするとなると、DHでの起用が濃厚となっているだけに本人にとっても願ったりかなったりの移籍になってもおかしくない。

 また、鈴木にとって同学年でもある大谷の存在は大きい。NPB時代は広島と日本ハムでリーグは違ったが、侍ジャパンで交流を深め、気の置けない間柄になったともいわれている。

 鈴木が加入後のカブスは、ポストシーズン争いには加わっているものの、ここ2年はあと一歩で涙をのんでいる。鈴木自身も“勝てるチーム”でプレーしたいという思いは強いはず。もしドジャースが獲得に乗り出せば、3人目の日本人選手が誕生する可能性は高いといえそうだ。

◆佐々木朗希がドジャースに移籍する可能性は?

 そしてもう一人、ドジャースに加わる可能性がある日本人選手が、ロッテからポスティング移籍を目指す佐々木朗希である。

 今月10日に始まった契約交渉期間も早2週間がたった。今のところ交渉の席に着いたのは、ヤンキースやカブス、ジャイアンツなど大都市に本拠地を構える球団が中心とみられるが、大きな進展は年明けだろう。

 NPBでの通算防御率が規格外の2.10を誇る若き右腕を、マイナー契約の“バーゲン価格”で獲得できるとあって、ほぼ全球団が佐々木に興味を示している。しかし、やはり西海岸の球団、とりわけドジャースとパドレスが獲得に最も近い位置にいる。

 パドレスにもダルビッシュ有と松井裕樹という日本人選手2人も在籍しており、注目度という点でドジャースほど高いわけではなく、佐々木にとってより過ごしやすい環境を得られる可能性が高い。それでもどの球団を選ぶかは佐々木の意思次第だ。

◆日本人カルテットが誕生すれば16年ぶり

 もし佐々木と鈴木がドジャースに加われば、“トリオ”を飛び越え、“日本人カルテット”が誕生することになる。

 過去に日本人4選手が同時に所属したのは、2009年のレッドソックスだけ。その年は、松坂大輔、岡島秀樹、斎藤隆、田沢純一の4投手がともに汗を流した。もし来季、日本人カルテットが誕生すれば、16年ぶりということになる。

 このオフは佐々木以外にも青柳晃洋(阪神)と小笠原慎之介(中日)の2人もポスティングによるメジャー移籍を目指している。今後も投手を中心にその波が収まることはないだろう。

 数年後には日本人だけで先発ローテーションを形成するような球団が現れても不思議ではない。まずはこのオフ、鈴木と佐々木を巡るドジャースの動きに注目したい。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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