ブリヂストンのグループ会社が展開する「タイヤ館」で働いていた新入社員の男性(当時24歳)が、3年前に自殺したのは上司のパワハラが原因だとして、両親が26日、グループ会社に計約6500万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こした。両親は「謝罪してほしい」と訴えている。
訴状によると、男性は大学卒業後、2021年4月にブリヂストンリテールジャパン(東京)に入社。5月から京都市内の店舗に配属され、タイヤの持ち運びや作業場の清掃などに従事していた。
男性は10〜11月に数回、仕事中の態度やミスを巡り、上司から強く叱責された。12月2日にも注意を受け、エレベーターのスイッチを殴る仕草をした。これを店長が「警察沙汰やぞ」と注意。男性は翌3日、店長に謝罪したが、別の上司から精神科を受診するよう両親に勧めると言われ、この日に命を絶ったという。
両親は会社の責任について、上司らのパワハラがエスカレートするのを防がず、男性に強い心理的負荷を与えたと主張。男性の健康状態に関心を払うこともなく、安全配慮義務に反したと訴えている。
京都南労働基準監督署は24年4月、男性の自殺を労災と認定。「許容される範囲を超える精神的攻撃を受けた」として、上司らの対応がパワハラに当たると判断している。
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提訴後に記者会見した男性の父親(56)は「息子は小さい頃から車が好きだった。入社後は大きなタイヤを交換できるようになったと自宅で話していたが、次第に仕事のことを話さなくなった」と話した。
ブリヂストンは「亡くなったことについてはお悔やみ申し上げるが、訴状が届いていないためコメントは控える」としている。【水谷怜央那】
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