「ああ面倒くさい」ママ友との会話。「定価で買うなんてバカみたい」と笑われた私に悪いうわさが

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2024年12月26日 22:10  All About

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常に一言多い、もしくは言葉のチョイスが失礼な人がいる。ママ友界隈では、善悪関係なしに些細な感情の行き違いがうわさ話になって広がる。「ムカついた」やり取りをSNSで愚痴る人もいて、愚痴られた当人にわざわざ知らせてくれる人もいる。
100円ショップは、今や多くの人に便利に利用されている。思いがけず使いやすいものもあり、コスパのよさに目を見張る人もいるだろう。だが、どこで何をいくらで買おうが人の自由。100円ショップで買わないからといって下に見られるいわれもないのだが……。

「定価で買うなんてバカみたい」と笑ったママ友

「家庭用品などは確かに100円ショップ、便利ですよね。私も利用しています。だけどある時、母から野菜のみじん切りができるキッチングッズをもらったんですよ。それは結構いい値段だったらしいから、ありがたくもらっておきました」

マミさん(37歳)はことの顛末(てんまつ)を説明する。たまたまその後、ママ友と料理の話になり、「みじん切りは面倒だから、こういうのを使っている」と話した。

「ああ、知ってる。100円ショップで売ってるやつね、と彼女が言ったので、『え、売ってるの? 私は母が買ったのをもらったんだけど。高かったみたいよ』と思わず話してしまったんです。そうしたら『信じられない。お母さんってバカなの? あんなものにそんな値段出すなんて』と笑われました。

彼女、もともと一言多い人だから、こういう時に言わなければと思って。そういう言い方はないんじゃないの、あなたは私の母と会ったこともないのにと言ったんです」

すると彼女は「無駄金使う人がバカみたいって思っただけ」と素知らぬ顔で行ってしまったという。

「彼女、一言多いだけじゃなくて、言葉のチョイスが失礼なんですよね。そのことに不快な思いをした人が結構いる。自覚を促そうとしただけなんですが、私がしていることは結局、彼女のしていることと同じではないかと自己嫌悪に陥ってしまいました」

彼女への意見が思わぬ展開を生む

「他のママ友からは、『言ってくれてよかった』と言われたものの、よく思っていない人をいじめただけのような気もして……」

誰が猫の首に鈴をつけるかという状態になっていたようだが、期せずしてマミさんがその役を担ってしまった。ところが実際には後悔した。

「彼女の悪口を言っていたくせに、私がそんなふうに言ったものだから急に彼女に近づいて私のことを悪くうわさ話する人たちも出てきて……。早くママ友関係を卒業したいです」

とはいえ、マミさんの子はまだ小学校2年生。先は長い。

そんなつもりじゃない一言が相手を傷つけた?

言葉のチョイスというものは、本当に難しい。自分が思ったように伝わらないことの方が多いのかもしれないと思うほどだ。シズカさん(40歳)も眉間にしわをよせながらこう言った。

「ママ友がコンコンと咳をしていたので、何の気なしに『気を付けてね。子どもたちもまだ学校あるし』と言ったら、『大丈夫よ。あなたの子にはうつさないから』って言われて。たまたまその日、うちの子が彼女の家に遊びに行っていたんですよ。慌てて『いや、そういうつもりじゃないから』と言ったけど、『それにね、私は風邪じゃないの。大人のぜんそくで苦しんでるの』と。

申し訳ないと、子どもを迎えに行った時に謝ったんですが、彼女は不快そうな表情を崩しませんでした。思いがけないところで人を傷つけるなと反省しています」

とはいえ、その程度のことは誰にでもあるはず。謝っているのに過剰反応するその彼女もちょっと神経質になっているのかもしれない。

「その後、彼女がSNSに『ママ友にこんなこと言われた』と、一部始終を少し盛って書いていたので、なんだか私はなおさらつらくなってしまって。そんなひどいことをしたつもりはなかったのに」

SNSで愚痴るママ友、その事実を報告してくる別のママ友

彼女がSNSに書いてたよと教えてくれたのもまた、ママ友だった。知りたくもなかったが、教えてくれた人には「ありがとう」と言わざるを得ない。そこでもまた、モヤモヤがたまっていく。自分がどんどん追い詰められている感覚は、心身にとってもよくないはずだ。

「ああ、面倒くさいというのが本音ですが、彼女たちの前で『ママ友との付き合いが面倒』とは言えない。姉に話したら『それって、あんたにも問題あるんじゃないの?』と言われてさらに落ち込むというオチです」

シズカさんは苦笑した。こういう小さなモヤモヤは、積もり積もって爆発しがちだ。だからといって正面切って抗議するわけにもいかない。どこかで、もう忘れる、考えないと決めてすっぱり気持ちを切り替えた方がいいのかもしれない。

「今年のことは忘れて、年が変わったらもう考えない。そう決めました」

そう言ってシズカさんは、ようやく表情をゆるめた。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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