元日の風物詩で最初のスポーツ日本一が決まるニューイヤー駅伝(第69回全日本実業団対抗駅伝競争大会。1月1日に群馬県庁発着の7区間100kmで実施)。昨年、8年ぶりに優勝したトヨタ自動車は2015、16年以来の連覇を目指す。
【写真を見る】【ニューイヤー駅伝】2連覇に挑むトヨタ自動車の新たな「芽」・ルーキー鈴木芽吹「自分の名前が好きで漢字もいいね」
そんな王者に芽吹いた新たな「芽」のルーキーが鈴木芽吹(23)。駒沢大学時代、4年連続で箱根駅伝出場し、大学4年生の時には主将としてエース区間とも言われている2区を走ったスーパールーキー。珍しい名前に本人は「僕も自分の名前が好きで漢字もやっぱりいいねと思う」と笑顔で話す。名前の由来については、「どんな世界に行くにしろ、その世界で芽吹くように」と親から言われたという。
その名の通り、実力は実業団の世界でも“芽吹いた”。11月23日に開催された八王子ロングディスタンス。男子1万mに出場した鈴木は軽快な走りを見せる。トラックの端には1万mの世界陸上標準記録である27分00秒00を切るペースを知らせる緑色が点滅。ペースの速さに途中棄権をする選手も出る中、先頭を走っている海外選手に食らいついていく鈴木。「26分台を出すというつもりで大会に出場して、もう垂れたら棄権してもいいくらいの気持ちでやっていた」と強気な姿勢で挑んでいた。
結果は26分台には届かなかったが、日本歴代5位となる27分20秒33をマーク。日本人トップの4位と堂々たる走りを見せた。しかし、ゴール直後にはコース上に座ると地面を叩いた鈴木。「正直、ちょっと自己ベストを更新するタイムではこの大会に出た意味がなかった。すごい悔しかった」と表情を滲ませた。
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どこまでも貪欲なルーキーが次に挑むのは新春の大舞台・ニューイヤー駅伝。「学生時代とは違って、地力が上がっている実感もあるのでとにかくチームに貢献するという気持ちで走りたい」と連覇へ向け、力強く意気込んだ。