やっぱり野球は最高のエンタメ! 2024年の日米のプロ野球総括【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第146回

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2024年12月27日 12:10  週プレNEWS

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「2024年のプロ野球」について語った山本キャスター

今回が連載の今年最後の回。ということで、2024年を振り返って見たいと思います。

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1)"青の時代"が到来

今年の日米のプロ野球は"青の時代"が訪れました。NPBの日本シリーズを制したのはDeNA横浜ベイスターズ。そして海の向こう、MLBでチャンピオンズリングを手に入れたのは大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・ドジャース。どちらも青を基調としたユニフォームのチームでした。

特に、ドジャースに快進撃を支えた大谷選手の活躍は連日テレビやインターネットのニュースで報じられ、かつてないほど注目されたことは記憶に新しいですね。かつてイチロー選手や松井秀喜選手がMLBで活躍していた時と同じか、あるいはそれ以上の盛り上がりを見せました。

何より、大谷選手自身の活躍がすごかったですね。この先、ますます記録を伸ばしていくでしょうが、おそらく大谷選手がもっとも輝かしい成績を残すだろう時期を、この目に焼きつけられることを幸せに思います。「大谷翔平さんはあの頃、ものすごい選手だったんだよ」と、孫の代まで語り継げる伝説を目撃しているわけですから。

大谷選手に注目が集まることで、その周辺の情報も日本でよく報じられるようになりました。ドジャースのほかの選手にも詳しい方が多くなるなど、MLBを愛する者として嬉しかったですね。たとえば、ドジャースの生え抜きの選手で、ワールドシリーズで相手チームの最後のバッターを討ち取ったウォーカー・ビューラー投手の移籍が報じられたときに、SNSでそれが話題になっているのを見て、「大谷選手がもたらした効果は大きいな」と思いました。

選手の名前を覚えると野球はさらに楽しくなりますから、これからもたくさんの選手に注目してほしいです。そして、大谷選手は周りの選手もことも明るく照らす、まさにスターですね。

2)プロ野球でも話題の、SNSとの向き合い方

日本シリーズの際に、DeNAの東克樹投手が「投球モーションに入った際の指笛をやめてほしい」とSNSで呼びかけたことが話題になりましたが、選手のSNS運用も個性が出るようになってきました。ファン獲得や、あるいはファンサービスの一環としてSNSを活用している選手が多いと思うのですが、来年からはインプレー中の動画投稿が禁止になりましたね。

近年、海外では未成年のTiktokが禁止されるなど、SNSとの向き合い方がまだ整備しきれていませんが、それは野球界も同じ。どんな形に落ち着くのかはわかりませんが、SNSとの向き合い方も考えさせられた一年でした。

3)レジェンドの引退

今年のヤクルトファンにとって一番大きな話題は、青木宣親選手の引退で間違いないでしょう。MLBでもプレーしましたが、長くチームの大黒柱として活躍したベテランの青木選手の引退を聞いたときは、「ついにきてしまったか」と......。実際に、喪失感でいっぱいです。

元日付でGM特別補佐に就任することが決まり、スーツを着てテレビに出る姿は見られるかもしれませんが、「来年はもうユニフォームを着ないんだ」と胸が痛くなったり......。でも、青木選手がいつかまたヤクルトのユニフォームを着て戻ってくる日を楽しみに待っています。

2024年は5位と悔しい結果に終わったヤクルトにとって、来年はとても大事な年になります。青木さんのまとめる力が欠かせないはずです。チームは生き物で。毎年"顔"が変わります。今年活躍した選手が来年も活躍できる保証はなく、逆に不本意な結果に終わった選手が覚醒することもあります。

引退や移籍など、チームが変わっていくことが寂しくなることもありますが、一期一会、その言葉を胸に、来年もできるだけ多くのプレーを目に焼きにつけたいと思います。

4)2024年のMVP

個人的2024年のMVPは、DeNAの牧秀悟選手に差し上げたいと思います。2023年のアジアプロ野球チャンピオンシップ、2024年のペナントレースやクライマックスシリーズ、日本シリーズでも大車輪の活躍。プレミア12にも出場し、チームの雰囲気をよくしようと奮闘していた姿がとても印象的でした。

いろいろとお話ししましたが、2024年も野球が楽しい1年でした。数年ぶりに、MLBとNPBもシーズンを通してじっくり見られたことで、気づきがある年になりました。

あらためて、「野球は最高のエンタメだ」と思いました。野球って本当にいいものですね。

それではまた来年! みなさま、よいお年を!

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作

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