日本プロサッカー選手会(JPFA)が主催する『極楽湯 presents 日本プロサッカー選手会アワード2024』授賞式が27日に行われた。
日本国内、海外のクラブに所属している日本人プロサッカー選手が会員となり、その選手間投票で1年間のJ1、J2、J3およびJPFA全体でのベストイレブンと最優秀選手を選出する同イベント。J3では、大宮アルディージャDF市原吏音がベストイレブンに選出された。
今季はリーグ戦31試合に出場し、1年でのJ2復帰に貢献した下部組織出身の市原。授賞式内では進行を務めた内田篤人さん、槙野智章さんから「(今季の出来は)何点?」と振られると「(自身のゴール数の)4点です」と答えて会場が沸く場面も。聞き直されると「7、80点くらいです。終盤に失点を重ねてしまって、(リーグ)最少失点には抑えたかったです」と振り返る。
2024年は年始からのAFCアジアカップカタール2023で日本代表のトレーニングパートナーとして参加し、J3ではスタメンに定着しての31試合出場で優勝という1年を送った。授賞式後の取材で「自分は波がない選手だと思っていて、ある程度のパフォーマンスを1年通じて出せる自信はある」としつつ、夏に調子を落とした時期があると振り返り、そのタイミングで食事や生活を変えるチャレンジをしたという。食事での取り組みでは結果、自身には合わないこともあったようだが、「やってみないとわからないですし、それを知れたことは大きかった」と“やってみる”ことの大切さを話し、「プロサッカー選手として、1年間をどういうサイクルで過ごすか、今年1年で学べました」と、今後のキャリアにも大切なことを得られたようだ。
今季の大宮は「ピッチの上だったら、いくら言ってもいいというのはチームの決まり事としてある」ため、互いの要求やチームのために戦うことがクリアになったことでいい結果を得られたとし、杉本健勇ら“先輩”にもガンガン要求したエピソードを冗談を交えつつ振り返り、「そういう雰囲気を作ってくれている(長澤徹)監督にはまず感謝しなければいけないですし、ピッチの外に一歩出たら仲良くとも言われてるので、そういうのが本当にありがたい」と感謝を述べた。
授賞式内ではバルセロナへの憧れがあるとコメントした市原は、同クラブに所属するスペイン代表DFパウ・クバルシの名を挙げ、「年下(市原は19歳、クバルシは17歳)ですし、すごいとは思いつつ、すごいでは終わらずに、そこに自分も張り合えるようなレベルになっていかなければいけないと思います」と、自身も飛躍しないといけないとコメント。現時点での課題を聞かれると、「まずは対人。ゴールをやらせない点で強くしなければいけないですし、もっとスピードも。最近のセンターバックは背後の対応はスピードで守らなければいけないですし、海外に行くならなおさらスピードのある選手が多いので、もっともっと。走るスピードもそうですけど、パススピードや判断スピードもまだまだ上げられると思っています」と、将来的な国際舞台での活躍を見据えての成長が必要と話した。
大宮は来季からレッドブルグループとしてRB大宮アルディージャとして、新たなスタートを切る。市原は、「確実にチームは変わりますし、注目度も上がると思います。これでまた1年で(J1に)上がれたら、より勢いがつくと思いますし、大宮のファン・サポーターも期待していると思います」と一気呵成にJ1復帰を見据えつつ、もちろん「そうは言っても簡単ではないので、またキャンプからいい準備をしていきたい」と、1月の始動にフォーカスしている。
2月にはU−20日本代表として9月末からチリで開催されるU−20ワールドカップ出場が懸かるアジア予選も待っている。「アジアも簡単ではないと思います。韓国とも同じグループですし、勝ち抜いてもトーナメントが待っているので。今、何ができるかと言えば個々のレベルアップしかないと思うので、自分自身ももっともっとレベルアップしていかなければいけないですし、それが結果的に代表だけではなく、自チームや日本のサッカー界に影響が与えられれば、いいのかなと思っています」と、まずは自身の成長が必要としている。