バタバタと忙しい朝は、時間がなくて食事が摂れないなんてこともあるかもしれません。でも、朝食を抜くことは、健康に悪影響を及ぼしてしまうもの。そんなときにおすすめなのが1杯のコーヒーです。朝のコーヒーがどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。AI食事管理アプリ・あすけんの公式書籍『結局、これを食べるが勝ち』の著者、管理栄養士の道江美貴子さんにお聞きしました。
朝のコーヒーで“体内時計”をリセット
−−朝にコーヒーを飲むと身体にいいとのことですが、なぜでしょうか?
道江さん:朝食には“体内時計”をリセットしてくれる役割があります。そのため、朝食を抜いてしまうと生体リズムの乱れを引き起こし、肥満や高血圧のリスクを高めたり、ストレスを抱えやすくなったりしてしまうことがわかっています。
体内時計をリセットするには、起床してから1時間以内に朝食を摂ることが大切なので、時間がないときにはコーヒー1杯だけでもいいから飲むようにしたほうがいいでしょう。
そもそもコーヒーは、交感神経を刺激し、血行改善や新陳代謝を促進します。ダイエットにも効果的なカフェイン、強い抗酸化作用のあるポリフェノールも含まれているので、朝のコーヒー習慣は健康面でのメリットも多いです。
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どんなに忙しい朝でも、せめてコーヒーを一杯『結局、これを食べるが勝ち』より
適量のカフェインで、身体を健やかに
−−朝にコーヒーを飲めば、朝食は摂らなくても良いのでしょうか?
道江さん:本来はコーヒーだけではなく、炭水化物+たんぱく質の揃った朝食(納豆ご飯やハムチーズトースト)がベストですが、起きてすぐには食べられない人や時間がないときには、コーヒー1杯でも飲んだほうが体内時計はリセットされます。カフェインに体内時計をリセットさせる作用があるので、カフェインが入っていればコーヒーでなくてもOKです。
−−紅茶や緑茶などでもいいのですか?
道江さん:紅茶や緑茶にもカフェインが入っているので、コーヒーが苦手な人はそれでもいいでしょう。ただ、コーヒーであれば、紅茶の2倍のカフェイン量が含まれています。
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−−「カフェイン=身体に良くないもの」というイメージを持っている方もいると思います。カフェインの健康効果について教えて下さい。
道江さん:カフェインの摂り過ぎは、眠りを妨げたり、カルシウムや鉄の吸収を妨げたりしますが、適量であればいい効果もあります。例えば、コーヒーに含まれるカフェインが眠気を覚ましたり脳を活性化したりすることが研究結果で示されています。また、運動前のコーヒーは交感神経を刺激し、内臓脂肪を分解して血液中に出す効果があります。コーヒーと運動を組み合わせることで効率良く内臓脂肪が燃焼し、ダイエット効果が期待できます。
−−朝イチのコーヒーはブラックのほうがいいですか?
道江さん:朝食であれば、ブラックよりもカフェラテのほうが、牛乳のたんぱく質も摂れます。牛乳以外に豆乳もおすすめです。豆乳には女性に不足しがちな鉄分、女性ホルモンの働きをサポートするイソフラボン、栄養の代謝を助けるマグネシウム、悪玉コレステロールを抑えるレシチンが含まれているので、「豆乳ラテ」にするのもいいですね。砂糖は入れるとしても、スティックシュガー1本程度にしましょう。
コーヒーには健康に良くないようなイメージを抱きがちですが、適量であればダイエット効果まで期待できるものです。時間がないからといって朝食を抜いたりせず、コーヒー1杯だけでも飲んで、きちんと体内時計をリセットするように心がけましょう。
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※2024年12月23日更新。
(TEXT:山田周平、メイン画像:Adobe Stock)
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